平成23年度 1級建築士設計製図課題発表!
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- (注)要求図面に、図示又は記入するもの
- ・主要寸法、室名、床面積
- ・構造種別、架構形式等に応じて必要となる構造要素
- ・柱、梁等の断面寸法
- ・設備スペース、設備シャフトの位置
- ・避難階段に至る歩行距離・歩行経路 等
課題対策説明会実施
日建学院では、本試験課題に対する対策説明会をいち早く実施します。
本年度課題から想定される設計条件や学習のポイントなどを映像講義を使ってわかりやすく解説します。
参加費用は無料ですので是非ご参加ください。
| 日時 | 7月25日(月)19:00〜 参加費無料 |
|---|---|
| 場所 | 日建学院 各校 |
| 申し込み | 各校によって開催日時・時間が違う場合がございますので、日建学院各校にお問い合わせいただきお申込みしてください。 |
「1級建築士設計製図早期対策課題1」をプレゼント!
本年度の本試験課題に則した1級建築士設計製図早期対策課題をプレゼントいたします。 設計製図の試験勉強にぜひお役立て下さい。
課題対策説明会にご参加された方全員にプレゼントいたします。
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本年度課題の対策
1.課題『介護老人保健施設』の出題の背景
現在、日本は平均寿命が延び、65歳以上の人口が増加するなど高年齢化が加速した結果、世界有数の高齢化社会となりました。
また、核家族中心の社会となった現在、都市部や過疎地において、多くの一人暮らしや寝たきりの老人を生み出す結果となっています。
このような体験したことの無い高齢化社会を迎えた今、高齢者の心身の健康や生活の安定に対して、社会の仕組みや制度として取り組むことが高齢者福祉の課題ですが、年金や介護、医療保険といった数々の問題を抱えているのが現状です。
さらに、2020年においては、総人口1億2411万人に対して、高齢者人口が3456万人と予測されており、総人口に占める65歳以上の人口の割合は27.8%となり、社会的負担は急増傾向にあります。
今回、このような社会的背景を基に課題テーマとして、介護保険3施設のひとつである『介護老人保健施設』が出題されたと考えられます。
介護保険3施設には介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護療養型医療施設、介護老人保健施設の3つがあり、それぞれ施設の機能として、老人福祉 施設は居住機能、療養型医療施設は継続的な医療を必要とする方々の療養機能、老人保健施設は在宅支援機能としています。
2.課題『介護老人保健施設』とは
昭和61年の老人保健法改正によって創設された施設ですが、平成12年4月の介護保険法の施行にともない移行しました。
病状安定期にあり、入院治療の必要のない、リハビリや介護、看護を中心とした医療ケアを必要とする要介護高齢者に対して、医療ケアと日常生活サービスを 提供する施設であり、病院・診療所と介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の中間に位置する施設とされています。
平均在所期間は3〜10カ月程度と介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)と比較して短くなっています。
また、運営は介護老人福祉施設が社会福祉法人によるのに対し、介護老人保健施設はそのほとんどは医療法人が行っています。
介護老人保健施設の機能
- (ア)包括的ケアサービス施設
利用者の意思を尊重し、望ましい在宅又は施設生活が過ごせるよう、利用者に応じた目標と支援計画を立て、必要な 医療、看護や介護、リハビリテーションを提供する。
- (イ)リハビリテーション施設
体力や基本動作能力の獲得、活動や参加の促進、家庭環境の調整など生活機能向上を目的に、リハビリテーションを行う。 - (ウ)在宅復帰施設
脳卒中、廃用症候群、認知症等による個々の状態に応じて、他職種からなるチームケアを行い、早期の在宅復帰に努める。 - (エ)在宅生活支援施設
自立した在宅生活が継続できるよう、介護予防に努め、入所や通所・訪問リハビリテーションなどのサービスを提供するとともに、他サービス機関と連携して総合的に支援し、家族の介護負担の軽減に努める。 - (オ)地域に根ざした施設
家族や地域住民と交流し情報提供を行い、様々なケアの相談に対応する。市町村等の自治体や各種事業者、保健・医療・福祉機関などと連携し、地域と一体となったケアを積極的に行う。
介護老人保健施設のサービス
- ■施設入所サービス(ロングステイ)
施設入所した利用者に合わせたケアプラン(介護計画)を策定し、家庭にいるような心地よい雰囲気の中で、看護・介護・リハビリ・レクリエーションを行い、家庭復帰・自立支援に努める。 - ■短期入所療養介護(ショートステイ)
家庭の都合(介護疲れ・冠婚葬祭・旅行など)で一時的に自宅での介護ができない場合、短期的にロングステイと同じサービスを行う。 - ■通所リハビリテーション(デイ・ケア)
家庭で療養されている方が、施設において健康チェック、日常生活介護、リハビリ、レクリエーションなどを行う。 また、希望により、食事、入浴、送迎のサービスを受けることができる。
3.試験制度の変更
今年度は、新試験制度に変わって、3回目の試験となります。以前の複合用途建物から単一用途建物に変更となり、21年度が『貸事務所ビル』、22年度が『小都市に建つ美術館』、そして今回23年度が『介護老人保健施設』の出題となりました。
21年度の課題テーマは『貸事務所ビル』で、構成は1階にショールームと喫茶室、2階〜7階は基準階型式の貸事務所という設定で、ゾーニング・動線計画といった計画内容においては、建物構成としては、難易度が低い内容の建物でした。
そのため、合格者、不合格者の図面を比較した場合でも、優劣が付け難い結果となりました。
それに対し、22年度の『美術館』は、計画する上で、公開部門と非公開部門を明確に区分することや、動線計画において人の動線と作品の動線、利用者の動線とサービスの動線を明確に分離することが計画の重要なポイントとなりました。
また、美術館の展示室は展示計画によって、長スパンでの計画が必要となり、構造種別やスパンの選択など、構造的知識を問う課題として適切であり、設備に ついても、展示室、収蔵庫の空調方式、展示室の照明計画、消火設備などの知識を問う課題としても適切であったと思われます。
21年度が合否判定しづらい課題であったのに対し、22年度は合否判定しやすい課題であったと思われます。
23年度の課題テーマは『介護老人保健施設』であり、受験生にとっては日常生活において、あまり接することの少ない建物での出題となりました。
今回の課題は、ロングステイ部門、デイ・ケア部門と、利用者のゾーンが2部門要求されており、管理運営部門、共用部門を含めますと建物の計画上、難易度の高い施設になると考えられます。
さらに、今回は1、2階平面図と基準階平面図が要求されており、新試験制度になって初めての、3平面での構成となります。3平面の構成になることで、建物構成もいくつかのパターンが考えられ、受験生にとって難易度の高い課題になることが予想されます。
また、建築計画以外にも、構造計画、設備計画の基礎的な知識を学ぶ必要があり、受験者の能力を判断しやすい適切なテーマと考えられます
平成22年及び平成21年の本試験の課題要求について、ポイントを確認します。
- 課題テーマ
複合用途建物から単一用途建物に変更 - 要求室は主要な室のみを要求
21年度は主要室以外に必要と思われる室を、適宜、受験者が計画する設定でしたが、22年度はすべての所要室が要求されました。
今年度も22年度と同様に必要な所要室は課題で要求されると考えられます。 - 要求室の面積
21年度はすべての所要室の面積が課題文の特記事項から算定する設定でしたが、22年度は一部の所要室の面積が指定されました。
今年度は22年度と同様に一部の所要室は面積を指定して要求されることが想定されます。 - 構造計画についての留意点が指示され、耐力壁が初めて要求された。
21年度は耐力壁が要求され、平面図への図示が要求されましたが、22年度は耐力壁の要求はされませんでした。
今年度は基準階建物であり耐力壁が要求される可能性もありあます。 - 設備計画についての留意点が指示され、照明器具の配置がそれぞれ要求されました。
21年度は事務室の照明器具の配置、22年度も展示室の照明器具の配置が要求され、平面図への図示が求められました。
今年度もデイ・ケア等諸室で要求されると考えられます。 - 梁伏図が要求された。
21年度は基準階の梁伏図、22年度は2階の梁伏図が要求され、それぞれ部材の区分け、断面寸法が要求されました。
今年度も2階梁伏図の要求があります。 - 計画の要点等の記述問題が出題された。
21年度は、建築計画、構造計画、設備計画についての設計者(受験者)の考え方を示す記述が10問、22年度も、建築計画、
構造計画、設備計画について、9問出題され、空調設備については、空調方式を選択式で解答させる要求でした。
今年度も同様に10問程度要求されると考えられます。
4.『介護老人保健施設』の過去の出題について
『介護老人保健施設』の出題は初めてですが、「高齢者施設」の出題としては、
平成11年 「高齢者施設を併設した集合住宅」があります。
なお、その年は括弧書きで(高齢者施設については、デイサービス(日帰り介護)及びショートステイ(短期入所生活介護)を行う施設である。)と指定されました。
3〜7階が集合住宅となる複合用途建物の設定で、階指定がなされており、1階がデイサービス部門、2階がショートステイ部門、3〜7階が住宅部門の建物構成となっていました。
構造は鉄骨鉄筋コンクリート造、地下1階、地上7階建で、延べ面積は3,700u以上、4,200u以下です。
また、それぞれ利用者定員も設定されており、デイサービスが20名、ショートステイが16名です。
今年度の課題においては、単一用途の建物で5階建ての出題となりますが答案用紙の関係から敷地が制約されることから、延べ面積は3,000u程度の出題になると予想されます。
次のようなポイントが考えられます。
@各要求室面積の指定の有無
Aロングステイ、デイ・ケアの利用者定員の設定
Bロングステイ部門の運営形態〔個室ユニット型、一部個室ユニット型、従来型(4人室中心)〕
C構造種別の指定のされ方〔鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造〕
D耐力壁の要求の有無
5.『介護老人保健施設』の計画上のポイント
介護老人保健施設を計画する上で、ポイントとなる項目について確認をしておきます。
1. ロングステイ部門とデイ・ケア部門が明確に区分けされていること
2. ロングステイ部門とデイ・ケア部門の課題で設定された定員を確保していること
3. ロングステイ部門の運営形態(個室ユニット型、一部個室ユニット型、従来型)が課題要求に沿っていること
4. ユニット型を採用した場合、他ユニットと明確に区分けされていること
5. ロングステイ部門、デイ・ケア部門の計画が設置基準に適合していること
6. 利用者の動線と管理・サービスの動線が明確に分離されていること
7. 送迎バスから玄関への動線が明快であること
6.その他の施設等
その他の施設としては、車寄せ、送迎用バス駐車場、車いす使用者駐車場、利用者用駐車場、サービス用駐車場等が考えられます。
@利用者用の駐車場について
敷地内では、大きな利用者用駐車場は計画が難しいと考えられるため、隣地、隔地での設定となると予想されます。
A送迎用バス駐車場
デイ・ケアの利用者は主に施設運営側がバスで送迎を行うため、駐車場が必要です。平成11年の本試験では、マイクロバスの寸法が指示されますので、寸法を守って計画することになります。
B車寄せ
課題によって、要求される場合とされない場合が予想されますが、要求された場合、車寄せから、玄関へのスムーズなアプローチ計画が必要になります。
7.設備計画
要求図面に図示するものとして、設備スペース、設備シャフトの位置が要求されています。
設備機器としては、空調機械室、受水槽、キュービクル等が考えられ、設置する場所及びその寸法については正しく内容を把握しておく必要があります。
また、設備シャフトについても、給排水用シャフト(PS)、空調用シャフト(DS又はPS)、電気用シャフト(EPS)をそれぞれ計画する必要があり、 その計画位置及び寸法についても正しく内容を把握しておく必要があります。
また、EVの計画においては利用者用及びサービス用の2基が予想され、利用者については寝台用が求められることが予想されます。
8.法規
一昨年の試験においても、高さ制限に違反した計画は「重大な不適合」に該当し、失格となっており、法規の遵守は絶対条件といえます。 介護老人保健施設の計画においては、設置基準により、3階以上にロングステイ部門を計画した場合、避難階段が2箇所以上必要となります。 また、要求図面に図示するものとして、避難階段に至る歩行距離・歩行経路が要求されており、避難距離及び重複距離には十分注意をして計画する必要があります。 今回の施設で利用者が入居する療養室等は採光必要面積が1/7となっており、居室の計画に際しては採光確保に注意して計画する必要があります。特に、住居系地域において1階及び2階に利用者用の諸室を計画する場合は、隣地との空きが必要になります。また、3階以上の階には、非常用進入口や代替進入口についての知識も必要となります。
9.計画の要点
以上のことから、今年度の課題に対し、次に挙げる学習が特に重要となります。
- (1)駐車場、利用者アプローチを含め、周辺環境に配慮した配置計画
- (2)ロングステイ部門とデイ・ケア部門の明確な区分けとゾーニング
- (3)ロングステイ部門の運営形態
- (4)利用者の動線と管理、サービスの動線の明確な分離
- (5)法規の遵守(採光、避難、斜線制限等)
- (6)適切な構造計画
- (7)適切な設備計画
- (8)特記事項欄から想定する要求室面積
- (9)記述問題に関する内容の理解















