2024/03/25 配信の解答と解説
次の記述について、正しいか、 誤っているか、判断しなさい。
- (1) 正しい
- 上下階の耐力壁が平面的に一致していると、上階の耐力壁に生じる水平力が床を介さないで、下階の耐力壁に伝達される。また、上階の耐力壁の自重が骨組を介さず、直接、下階の耐力壁に伝達する。したがって、上下階の耐力壁は、できるだけ平面的に一致するよう計画する。
- (2) 正しい
- 層間変形角という考えは、帳壁・内外装材等が過大な変形によって破壊し、事実上建築物の機能を失うのを防ぐためにある。上階と下階の層間変形角の差が大きくなると上階と下階の変形の割合が大きく異なることになり、仕上げ材等への影響が大きい。したがって、上階と下階の層間変形角の差はなるべく小さくすることが必要である。
- (3) 正しい
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建築物の耐震性を高めるためには、構造物の強度を大きくする考え方(強度志向型)と構造物の粘り強さに期待して変形能力を大きくする考え方(靭性志向型)がある。この粘り強さに期待することとは、部材が塑性化したあとの変形能力を大きくすることであり、この能力を靭性という。
{関連} 建築物の耐震性は強度と報性によって評価されるが、靱性に乏しい場合には、強度を十分大きくする必要がある。
- (4) 正しい
- 建築物の各部分がエキスパンションジョイント等の相互に応力を伝えない構造方法のみで接している場合、構造計算においては、それぞれ別の建築物とみなす。建築基準法施行令第36条の4。
- (5) 正しい
- 柱梁接合部パネルは、柱と梁によって囲まれた部分である。梁や柱の曲げ耐力に比べて、接合部パネルの耐力が相対的に低いと、梁や柱の曲げ降伏に先立って接合部パネルが降伏する。架構の耐力及び変形能力を発揮させるためには、梁又は柱が、柱梁接合部パネルより先に降伏するように設計しなければならない。鋼構造接合部設計指針。