日建新聞 10月号 HEADLINE紙面から主なニュースをピックアップ
耐震診断51%、改修は24%/地方自治体の耐震補助制度の整備状況/国土交通省発表

国土交通省が発表した耐震改修などに対する地方公共団体の取り組み状況によると、戸建住宅の耐震診断と耐震改修の補助制度がともにすべての市区町村で確立されているのは、大規模地震に対する危機意識が高い静岡と兵庫の2県だけであった。戸建住宅の耐震診断に関する補助制度が利用できるのでは、全国の市区町村のうち約51%、耐震改修は約24%にとどまっている……(全文)

既存分譲マンション耐震改修補助率を33・3%に/建築士事務所などの登録システム構築を要望/国交省予算概算要求
バリアフリー改修/所得税から10%控除/固定資産税も3年間1/2/国交省税制改正要望
省エネ住宅促進税制を創設/環境省の税制改正要望
建築の品質は自助努力で担保/建築主の影響大/建築学会が耐震偽装で最終報告
民間工事にも監理技術者配置/一括下請を見直し/建設産業政策研が中間取りまとめ素案
耐震性不安の住宅が8割超/6割超が2階への補強も必要/木耐協調査 ライセンスレポート
住宅性能表示に石綿を追加/マンションの更新対策も/国交省方針

過去最低となる合格率10%/受験者数も連続減/1級建築士「学科」試験

合格率が4.1ポイント上昇/受験者数は3万1000人台を維持/2級建築士学科

合格率は2年連続増/受験者数は5年連続減/1級土木施工管理技士学科

1級建築士から特定建築士を認定/社整審答申/士法改正案を今秋臨時国会提出へ

管理建築士による機能強化/建築士制度見直しで社整審答申

宅地造成等規則改正/造成宅地防災区域を重要事項説明に追加
住みかえ機構が協賛企業募集/10月からリバースモーゲージ立ち上げ/国交省
施工体制事前提出方式(オープンブック方式)の検討開始/元請の低価格受注対策/専門工事業のコスト管理能力の向上
地元の住宅を高校生が耐震チェック/都立葛西工業高等学校
「自分でできること」「専門家へ依頼すること」明確に分けて点検・補修方法を解説/住宅金融普及協会が『住まいの管理手帳』を全面改訂
新設住宅着工戸数/2006年7月
建声


耐震診断51%、改修は24%/地方自治体の耐震補助制度の整備状況/国土交通省発表

国土交通省が発表した耐震改修などに対する地方公共団体の取り組み状況によると、戸建住宅の耐震診断と耐震改修の補助制度がともにすべての市区町村で確立されているのは、大規模地震に対する危機意識が高い静岡と兵庫の2県だけであった。戸建住宅の耐震診断に関する補助制度が利用できるのでは、全国の市区町村のうち約51%、耐震改修は約24%にとどまっている。

全国の市区町村1843団体のうち、戸建住宅の耐震診断の補助制度が整備された市区町村数は938団体(整備率51・9%)、耐震改修の補助制度があるのは448団体(同24・3%)であった(7月1日現在)。05年4月1日現在と整備率を比較すると、耐震診断は18・0ポイント、耐震改修は9・9ポイントそれぞれアップした。
両補助制度ともすべての市町村で利用できないのは▽北海道▽青森▽秋田▽香川▽佐賀▽鹿児島▽沖縄──の7道県。耐震改修に対する補助制度がすべての市町村で利用できないのは▽山形▽福島▽福井▽鳥取▽島根▽山口▽愛媛▽熊本▽大分▽宮崎──の10県だった。これら10県では、耐震改修促進税制などの税制措置が十分に活用されていない。
今年度創設された耐震改修促進税制は、旧耐震基準(81年以前)で建てられた住宅の場合、耐震改修工事費の10%(上限20万円)を所得税から控除するものであるが、地方公共団体による耐震改修促進計画など補助制度の整備が適用要件となっている。同計画の策定は、都道府県が義務、市区町村は努力義務となっている。
耐震改修促進計画の策定状況は、06年度内に46都道府県が策定済みとなる予定。うち22団体は06年12月までに策定作業を完了させる。福岡県の策定は07年6月にずれ込む見通し。
市区町村別にみると、06年度には96団体、07年度に299団体、08年度以降に25団体で、計420団体が策定を計画している。県内のすべての市町村が07年度中に同計画を策定するとしているのは、岐阜、静岡、愛媛の3県。すべての市町村が策定するかどうか未定は岩手、徳島、高知、沖縄の4県となった。
マンションに関しては、耐震診断の補助制度があるのは174団体(構成比9・4%)、耐震改修補助制度があるのは69団体(同3・7%)だった。非住宅建築物の耐震診断補助制度があるのは120団体(同6・5%)、耐震改修補助制度があるのは25団体(同1・4%)だった。

官庁施設の診断
同省は官庁施設の耐震診断結果も同時に発表した。診断の対象393棟(延べ約350万平方メートル)のうち、官庁施設としての耐震基準を満たす施設は217棟(整備率55・2%)で、震度6強以上の大規模地震で損傷する可能性がある基準に満たない施設は176棟(同44・8%)だった。176棟は中規模地震では損傷しないことが確認されているものの、同省は耐震化対策を重点的に進めることにしており、耐震性を示す評価値が1・0に満たない114棟は、10年以内に約9割(面積ベース)の対策を完了させたい意向だ。

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既存分譲マンション耐震改修補助率を33・3%に/建築士事務所などの登録システム構築を要望/国交省予算概算要求

国土交通省が8月29日に発表した2007年度予算の概算要求によると、一般会計の要求総額は7兆3366億円(前年度当初比17%増)で、うち公共事業関係費は6兆6434億円(同18%増)となった。住宅局関係(国費)は、1兆1856億円(同13%増)で、このほか経済成長戦略推進要望枠として住宅対策55億円、市街地整備36億円を盛り込んだ。都市・地域整備局関係(国費)は1兆8601億3400万円(同14%増)で、都市再生や地域再生に重点的に取り組む。交付金関係では地域住宅交付金2660億円(同75%増)、まちづくり交付金2980億円(同25%増)を計上した。

住宅局関係では耐震強度偽装問題などを踏まえ、瑕疵(かし)担保責任履行の実効性確保策として売り主などに資力確保を義務付けるほか、民間保険制度による責任履行を補完するための措置、瑕疵保証円滑化基金の拡充などを行う。住宅・建築物のストック情報に関するデータベースの整備や、建築士事務所・指定確認検査機関などの登録システムの構築にも取り組む。
既存分譲マンションの耐震改修を強力に推進していくため、耐震改修費用の補助率を33・3%に引き上げる制度を創設。街なか居住再生ファンドの拡充や、街なかでの優良な共同住宅の供給促進など、中心市街地再生策も強化する。
都市・地域整備局関係では、まちづくり交付金の拡充や密集市街地の解消、民間都市開発への支援、総合的な都市交通施策の推進などを一体的に実施する。密集市街地緊急リノベーション事業(仮称)を創設し、複数の事業手法を組み合わせて、都市計画道路の整備に併せた沿道建築物の不燃化なども進める。密集市街地における街づくり規制合理化支援事業(仮称)も新たに設ける。
まちづくり交付金では、まちおこしセンター(仮称)や子育て世代活動支援センター(仮称)を新たに基幹事業に追加する。
中心市街地活性化緊急戦略には54億円を計上。基本計画の認定を受けた地区への重点的な支援を行う。景観形成総合支援事業(仮称)として、景観法による規制を活用して良好な景観誘導を図る取り組みも支援する。踏切対策のスピードアップや、下水道総合浸水対策緊急事業の拡充なども盛り込んでいる。
重点的に取り組む事業としては3大都市圏環状道路の整備を挙げ、2142億円(前年度当初比21%増)を計上。流域が一体となった治水・土砂災害対策にも力を入れる。要求額は805億円(同19%増)。防災公園の整備に579億円(同16%増)を計上した。





バリアフリー改修/所得税から10%控除/固定資産税も3年間1/2/国交省税制改正要望

国土交通省は2007年度税制改正要望として、住宅のバリアフリー改修促進税制や地域優良賃貸住宅(仮称)供給促進税制の創設などを要望するとともに、都市再生の円滑な推進に向け、都市再生・まち再生促進税制の延長・拡充などを盛り込んだ。
住宅関係では、▽三位一体改革による税源移譲に伴う住宅ローン減税効果の確保が図られる入居期限の延長▽住宅用家屋の所有権保存登記などにかかわる登録免許税の軽減措置の延長▽特定の居住用財産の買い換えや交換の場合の長期譲渡所得の課税特例措置の延長▽特定の居住用財産の買い換えなどの場合の譲渡損失の繰越控除制度などの延長▽地域優良賃貸住宅(仮称)の供給促進税制の創設▽住宅のバリアフリー改修促進税制の創設──などを要望している。
このうち、住宅のバリアフリー改修は、バリアフリー改修工事に要した費用の10%相当額(上限20万円)を所得税から控除する措置と、固定資産税を3年間2分の1に減額する措置を要望。耐震改修工事を合わせて実施する場合は、3年間3分の1に減額することを求めている。
地域優良賃貸住宅については、一定水準以上の賃貸住宅で所得税・法人税の割増償却を5年間で50%、固定資産税を5年間3分の1に減額する措置の創設を要望している。
都市再生関係では、都市再生・まち再生促進税制の延長・拡充のほかに、特定の事業用資産の買い換えなどの特例措置の延長を求めている。





省エネ住宅促進税制を創設/環境省の税制改正要望

環境省は、省エネ住宅・建築物を購入、建設した場合に、税制面での優遇措置が受けられる省エネ住宅・建築物促進税制を来年度創設する。07年度同省税制改正要望に盛り込んだ。
次世代省エネ基準に適合する住宅を新築・建設した場合に固定資産税を5年間2分の1(通常3年間2分の1)とし、既設住宅で一定の省エネリフォーム(複層ガラスへの取り替え、二重窓など)を行った場合に固定資産税を3年間2分の1とする措置を設ける。また、新築・リフォームとも追加的に必要となった費用の10%を所得税から控除する制度を設ける。





建築の品質は自助努力で担保/建築主の影響大/建築学会が耐震偽装で最終報告

日本建築学会は耐震強度偽装事件に関する最終報告として「健全な設計・生産システム構築のための提言・解説」をまとめ、9月7日、横浜市で行われた2006年度建築学会大会で発表した。「法令規制は、悪い建築を排除できるが、良い建築は自助努力によってしかつくれない」との基本認識から、技術者倫理に則り、建築関係者の自助努力によって品質が確保され、それを社会に還元する仕組みが健全に機能し、これを補完するかたちで法令規制が機能することが必要と提言した。
また、意思決定に大きな影響力をもつ建築主の役割にもふれ、社会的環境や安全性などの責任を負っていることを自覚しなければならないと指摘。そのためには建築意図や、要求する建築の内容を文章(ブリーフ)として明示することの普及が必要とし、作成方法などについては同学会が蓄積し得てきた知見を社会に開示するとしている。
報告書は村上周三会長を委員長とする「健全な設計・生産システム構築のための特別調査委員会」によりまとめられたもので、▽品質確保のための自助努力▽建築法令規制▽被害者救済の仕組み──の3部に分けて構成している。このうち、被害者救済の仕組みについては、引き続き研究調査していく方針である。
発表では、今後を展望した基本的な課題として、弁護士の大森文彦氏が「法の基本的考え方を理解していないと行動規範ができない」「法は裁判規範になっていることを理解し、違反したらどうなるか予測することで行動を見通すことが必要」と建築界における法令教育の必要性を強調した。





民間工事にも監理技術者配置/一括下請を見直し/建設産業政策研が中間取りまとめ素案

国土交通省は8月31日に開かれた建設産業政策研究会(大森文彦座長)で中間取りまとめの素案を示した。早急に必要な対策として▽一定の民間工事で一括下請の見直し▽監理技術者資格者証制度・講習制度の民間工事への適用▽施工図書の保存義務付け──などを挙げた。これらの施策について、早ければ今秋の臨時国会にも建設業法の改正案を提出したい考えだ。
民間工事で一括下請の見直しなどは、耐震強度偽装問題を踏まえた措置。現制度では施主の了解があれば民間工事での一括下請が可能だが、これを全面的に禁止する。ただ、一定の建築物に限定する方針で、「発注者と最終的な消費者が異なる」分譲マンションなどに限定するもようだ。対象となる建物については、次回会合(9月25日)までに具体化させるもよう。
一方、監理技術者資格者証制度・講習制度の民間工事への適用は、公共工事と同じ監理技術者の配置要件を設定するもの。民間工事でも監理技術者資格者証の交付と、国土交通大臣指定の監理技術者講習を受けた監理技術者の配置を義務付けることを検討する。
施工図書の保存は、責任の明確化を図るため、建設業法で5年間の保存を義務付けている契約書などの帳簿に施工体系図、設計図書、打ち合わせ記録などを追加する。
素案ではこのほか、建設生産システムを「建設生産物の最終消費者に対する発注者、設計者、施工者など各主体による建設生産物提供のプロセスと、各主体相互の関係性の総体」と定義し、発注者も建設生産システムの一翼を担う主体と明確に位置付けた。その上で、最終消費者に対し対価に応じて最も高い価値(VFM)のある建設生産物を提供することが、目指すべき建設生産システムの方向性だとした。





耐震性不安の住宅が8割超/6割超が2階への補強も必要/木耐協調査

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合は、4月1日から3カ月間に同協同組合で実施した耐震診断結果を発表した。1950年以降で2000年5月までに着工した木造在来工法2階建以下の住宅1146棟(平均築年数24・9年)を対象に、国土交通省住宅局監修の「木造住宅の耐震診断と補強方法」の一般診断法を用いて調査、その結果をまとめた。
それによると、全体の60・5%が「倒壊する可能性が高い」と診断されており、これに「倒壊する可能性あり」を含めた耐震性に不安のある住宅は83・5%を占めた。これを新耐震基準が施行された81年6月前後で見ると、施行前の住宅では95・9%が、施行後でも70・9%が耐震性に不安があった。
なお、今回から新診断手法を実施、従来は壁量、壁のバランスを中心に評価しているのに対し、接合部、床仕様などの評価項目を追加した。また1階だけでなく2階のX軸とY軸を含めた4つの評点からもっとも低い数値を総合評点として反映させている。総合評点は「一応倒壊しない」の1・0を基準に0・7以上1・0未満が「倒壊する可能性あり」0・7未満が「倒壊する可能性が高い」と診断される。
1階と2階を比べると、2階の評点で総合評点が決まっている住宅が全体の49・3%にも上った。また2階の評点が1・0を下回っている住宅は63・7%。耐震補強の普及を阻む大きな要因は「経済的理由」なだけに、2階の補強も6割以上の住宅に必要であるとなれば、工事費用がかさみ、耐震補強の普及が停滞化する危険性もはらんでいると分析している。






住宅性能表示に石綿を追加/マンションの更新対策も/国交省方針

新築住宅や既存住宅の性能や現況を表示するための住宅性能評価基準が改正される。
国土交通省は住宅性能表示制度の評価項目である「空気環境」に石綿の使用に関する事項、「維持管理への配慮」に共同住宅の更新対策に関する事項、「構造の安全」に免震建築物に関する事項を追加することにした。これは社会資本整備審議会(国交相の諮問機関)建築分科会で了承されたもの。
石綿の使用に関しては既存住宅に限り「石綿含有建材の有無等」および「室内空気中の石綿の粉塵濃度等」の2項目を追加することにしている。施行は10月1日を予定。 新築住宅については、06年6月施行の改正建築基準法において石綿の使用が規制されたために除かれていることに注意が必要。具体的な評価方法では、吹き付け石綿と吹き付けロックウールに加えて申請者が求めた建材を分析して含有率を調べる必要がある。
そして建材の名称や含有率、使用部位などを評価書に記載する。また、石綿の粉じん濃度は、位相差顕微鏡などの測定器具を用いて石綿繊維を計測することにしている。
共同住宅の「更新対策」に関する事項は、共用配水管と住戸専用部を追加する。共用配水管の更新対策としては、構造躯体に影響を及ぼすことなく更新を行うために講じた対策や、占有部分に立ち入らなくても更新できることなどを表示する。住戸専有部では間取りの変更の容易さを示す天井高、壁や柱の有無を表示する。
これらの評価方法の改正は、評価員への周知期間に配慮し、07年4月1日とする予定。
さらに評価の対象となる住宅(戸建・マンション等)が免震建築物である場合にはその旨を表示する。この施行は07年4月1日を予定している。





宅地造成等規則改正/造成宅地防災区域を重要事項説明に追加

宅地造成等規制法が改正され、06年4月1日に公布された。改正法の施行は10月1日といわれているが、これにともない宅建業法施行規則が改正され、重要事項説明に「造成宅地防災区域」が追加されることになる。
宅地造成等規制法改正で新たに規定された「造成宅地防災区域」は、宅地造成に伴う相当数の居住者その他の者に危害が生じるおそれが大きい一団の宅地造成の区域として指定される。同区域内の造成宅地の所有者などは、災害の防止のため、必要な措置を講ずるように努める責務が発生する。これらの点を踏まえ、宅地または建物の購入者などの保護のために、宅地建物取引業法施行規則16条の4の2を改正することになった。
改正内容は、宅地または建物について、「当該宅地または建物が宅地造成等規制法20条1項により指定されて造成宅地防災区域内にあるときは、その旨」を説明することを新たに規定している。
これを重要事項説明の書面に宅地建物取引主任者が記載し、購入者などに口頭でも説明する必要がある。





住みかえ機構が協賛企業募集/10月からリバースモーゲージ立ち上げ/国交省

国土交通省が支援する「移住・住みかえ支援機構」(JTI)が10月から協賛企業の募集を開始する。
移住・住みかえ支援機構は、子育て期を過ぎたシニア層(50歳以上)が移住するか、郊外の戸建住宅から駅前、あるいは都心のマンションへ住みかえを行う場合に、現在住んでいるマイホームを借り上げ、賃料保証をする非営利法人である。06年4月に国土交通省の支援で設立され、10月から事業を開始する。
当分は協賛企業が自社物件のオーナーに声を掛けて借り上げたり、不動産仲介業者を通じて借り手を探したりするので、そのための協賛企業を募集する。
借り上げた住宅は、子育て期の30歳から40歳の世代に転貸する。
空き家が生じても、06年度5億円の損失保証のための基金が創設されているので、利用者は安定的な賃料収入を得ることができるのが特徴。家賃は市場家賃より低めに設定するが、原則として所有者が亡くなるまで終身で年金を保証される仕組み。このためマイホームを手放さずに年金化することが可能になる。
また、3年程度の定期借家契約で転貸するので、将来所有者が帰宅しなければならなくなった場合でも、柔軟に対応可能である。
この「住みかえ型リバースモーゲージ」は国土交通省が創設した「高齢者の移住・住みかえ支援制度」により4月に設立された。今年度予算の5億円を基金にして10月からモデル事業を立ち上げる。
具体的には50歳以上のシニア層のマイホームを支援機構が借り上げる。賃料を保証することで終身にわたって年金化していく。定年退職を機会に国内外のリゾートに移住したい、あるいは郊外から駅前のマンションに住み替えたいと考える人は多いが、マイホームを売却してしまうと、戻る家がなくなる不安がある。 そこでJTIがマイホームを借り上げて、所有者が亡くなるまで賃料を所有者に保証すれば、移住や住みかえがしやすくなる。賃料の約2割をJTIに積み立てる仕組みで、スタート後6カ月間で約100件の成約を見込んでいる。
国土交通省はモデル事業として3年間バックアップすることにしている。





施工体制事前提出方式(オープンブック方式)の検討開始/元請の低価格受注対策/専門工事業のコスト管理能力の向上

入札時点で元請業者に下請業者や下請契約単価などを記入した内訳を提出させる「施工体制事前提出方式」(オープンブック方式)の導入をめぐる議論が活発化してきた。建設産業専門団体連合会(建専連、才賀清二郎会長)は、元請業者による低価格受注問題への対策として同方式の検討に着手。国土交通省も専門工事業者のコスト管理・見積能力向上の支援策の一つとして検討に乗りだす。同方式の効果がどこまであるのか、今後の議論の成り行きが注目される。
建専連は、「取引慣行是正委員会」(委員長・蟹沢宏剛芝浦工大工学部助教授)を設置し、同方式の課題などについて検討を始めている。ただ、同方式の効果には懐疑的な指摘もある。下請契約単価が指し値に基づいた金額であれば、ダンピング受注の抑止にはならない。また、適正な見積や事務量増大への対応、元請業者との交渉など、専門工事業者の能力を問われる可能性があり、能力のない企業が淘汰(とうた)されるという指摘もある。
国交省は、こうした指摘を踏まえ、同方式の検討を専門工事業者のコスト管理・見積能力向上の支援策として位置付けている。いずれにしても、同方式に強い関心を示す業界関係者も多く、今後の議論が注目される。

●オープンブック方式
米国では公共工事における下請適正化法(カリフォルニア州法)に基づき導入されている。元請企業は入札時に、入札金額の0・5%を超える金額の下請契約を予定しているすべての下請企業(1次下請)のリストを作成し、提出することが義務付けられている。リストには下請企業の名称、その下請企業が請け負う工事の具体的な内容、請負金額、下請企業の許可番号などが記載される。リストにない工事は元請が担当すると解釈される。これらの情報は公開の対象となっている。
特徴的なのはリストに記載される請負金額。入札前に元請企業が下請企業から見積を徴集した金額が書かれるが、その金額は発注者が指定した入札期限の直前(2〜3時間前)に下請企業が提出する最終見積書の金額。期限の直前とするのは元請企業による不当な介入を避けるという意味合いがある。記載金額は、元請企業が落札し、下請企業と契約を締結すれば「下請の受注金額」となる。一方、下請から提示された見積書は、元請の積算担当が作成した見積書をもとに照査される。下請の見積金額は平均値の5〜10%程度のバラツキで収まることが多く、極端に低い見積金額は、リスク回避のため元請企業があらかじめ排除するという。
日本では宮城県や仙台市が導入し、独立行政法人水資源機構が試行を開始している。





地元の住宅を高校生が耐震チェック/都立葛西工業高等学校

東京都立葛西工業高等学校(江戸川区、佐藤則夫校長)は8月23日、「木造住宅耐震診断・夏の公開セミナー」を開催した。都内の工業高校が住宅耐震診断の一般向けセミナーを開催したのは初。地元の住民を学校に招き、全体講演と個別の簡易耐震診断を行った。
全体講演では、江戸川区の耐震化の現状と取り組みについて同区の長伸彦都市開発部住宅課長が説明、木造耐震診断とその補強方法を日本大学非常勤講師の八島信良氏が分かりやすく解説した。定員は80人であったが、講演の最後には会場いっぱいに人が集まった。
希望者による簡易耐震診断は、自宅の図面や間取図をあらかじめ用意してきた参加者が、パソコンの耐震診断ソフトを使って平面図や壁の材質、筋交いの位置などを入力して行った。同校建築科の3年生がパソコンへの入力作業をサポートした。
耐震診断を指導した八島氏は「業者が役所に提出した図面と違って建てられた住宅もあった」「比較的新しい(新耐震以降の)建物でも耐震強度が不足しているものがあった」と診断結果について述べた後、工業高校における耐震チェックについて「既存不適格や違法建築などで、役所に相談にいきにくい建物の相談窓口になれるのでは」と感想を語った。
建築科の沢野茂教諭は「学校教育は、学校内部だけでなく地域に還元するものであり、建築教育の中でできることとして今回のセミナーを企画した。参加した生徒は、勉強したことが社会の役に立つということを実感できたと思う。単発ではなく、定期的に開催していきたい」とセミナーの趣旨と今後の抱負を述べた。





「自分でできること」「専門家へ依頼すること」明確に分けて点検・補修方法を解説/住宅金融普及協会が『住まいの管理手帳』を全面改訂

住宅金融普及協会はこのほど95年から発行しる『住まいの管理手帳』を全面改訂し、8月から販売している。『戸建て編』『マンション編』があり価格は改訂前と同じ各860円(税込)、全国の大型書店や政府刊行物センターで購入できるほか、同協会のホームページからも直接注文できる。
これまで2色刷りだった本文をオールカラーにするとともに、イラストを多く使いながら分かりやすく解説している。編著者として1級建築士・インテリアコーディネーターの溝渕木綿子氏が参加し、住まいに関する基礎知識や安全・安心を得るための防災・防犯対策のほか、床、壁、天井などの部位や設備機器に対する日常の手入れ方法をまとめている。
今回の改訂では、よりユーザーの視点にたって全体を見直すとともに、住まいの点検や補修について「自分でできること」と「専門家へ依頼すること」を明確に区分した。日常のトラブルなどに関して、居住者が自ら補修できる方法を解説するとともに、専門業者に依頼する点検・補修も明示している。戸建て編は、これまで木造軸組工法を前提とした内容であったが、枠組工法にも対応させた。
住宅金融普及協会によると、同書は戸建て編とマンション編を合わせ、年間5万部超が販売されている。主に住宅事業者が購入して、新築住宅の引き渡しの際に消費者に同書が渡されるケースが多い。同協会では、こうした使われ方も考慮して、一定の部数以上の注文には割引も実施する。

HPでフォローアップ/改訂版を担当した山中正道氏(住宅金融普及協会事業本部事業課長)
http://www.sumai-info.com/
改訂版を制作するにあたり、編著者の溝渕さんから多くの原稿をいただきましたが、編集の都合で掲載できないものもありました。こうした文章の一部をホームページに掲載しています。
また、本の巻末には「住まいのカルテ」として記入用のシートを掲載していますが、「消耗品一覧」など、より詳細な項目に関するシートの書式もホームページからダウンロードできるようにしています。
書籍に関しては、できれば2年ごとに内容の見直しを図っていきたいと考えていますが、その間のフォローアップとして、新しい情報などをホームページに掲載していく予定です。 (談・文責編集)





新設住宅着工戸数/2006年7月

国土交通省がまとめた建築着工統計調査報告によると、2006年7月の新設住宅着工戸数は前年同月比7.5パーセント減となる10万6649戸で、先月の同4.7パーセント増から6カ月ぶりに減少した。
利用関係別では、持家が前年同月比1.0パーセント減、貸家は16カ月連続の増加となる同3.1パーセント増、分譲住宅は同25.5パーセントの大幅減となった。
新設住宅着工床面積は907万4000平方メートルで、前年同月比8.8パーセント減で4カ月ぶりの減少。

2006年7月新設住宅着工戸数 106,649 日建新聞の「新設住宅着工戸数」面がPDFでご覧になれます。下の画像をクリックしてください。
戸数 戸数
建築主体別 資金別
公共 2,874 民間資金 94,316
民間 103,775 公的資金 12,333
利用関係別  公営住宅 1,914
持家 32,564  公庫融資住宅 4,884
貸家 46,553  再生機構住宅 676
給与住宅 789  その他の住宅 4,859
分譲住宅 26,743 都市圏別
 (うち戸建て) 11,861 首都圏 35,056
構造別 中部圏 13,174 PDFファイルにはAdobe社のAcrobatReaderが必要です。下をクリックしていただければ、無償ダウンロードができます。
木造 48,818 近畿圏 16,332
非木造 57,831 その他地域 42,087

国土交通省基礎統計資料より(http://www.mlit.go.jp/toukeijouhou/chojou/index.html





建声

最近のニュースオムニバスである。
国交省が輪中堤とニ線堤を活用した防災対策に乗り出す。江戸時代から伝わる住宅地や農地の防災技術で、その成果が注目される。
05年度のオール電化住宅着工は25万戸。前年度比30%増。原油高によるガス代値上げがプッシュ要因だ。それにしても、原発事故による電力の供給不安が気にかかる。
ここ数年、中高層住宅での刑法犯罪が激増、毎年10万件を超える。こうした「都会の死角」に対し、建築計画の面からも、一層の工夫が必要だ。
木造住宅の耐震審査が今年度中に強化される見込み。審査基準強化と並行して、審査機関にもテコ入れしなくては「姉歯事件」の再現が心配されるところだ。
小説家の吉村昭氏がこの世を去った。『戦艦大和』『殉教』で有名な作家だが、氏には『闇を裂く道』や『高熱隧(ずい)道』などの建設技術者をモチーフとする秀作もある。土木・建築を問わず建設関係者、とくに技術者を目指す学生にぜひ一読してもらいたい。




ライセンスリポート
過去最低となる合格率10%/受験者数も連続減/1級建築士「学科」試験

建築技術教育普及センターは9月12日、今年の1級建築士「学科」試験の合格者を発表したが、合格率が10・0%となり、試験実施機関が同センターに移行した1984年以降では過去最低となった。同試験の合格率は2年連続で25%台の高合格率だったが、今年は前年比15・0ポイントの大幅ダウン。同時に発表された合格基準点は、計画、法規、構造、施工の各科目13点、総得点67点を基本的な水準としているが(各科目25点満点、計100点満点)、今年は構造以外の3科目の平均点が例年に比べ著しく低かったため、それぞれ12点に、総得点も63点に補正した。
1級建築士「学科」試験は、7月23日に全国57会場で実施、4万0950人が受験し、4099人が合格した。
受験者数は前年比957人の減少で、99年の5万7431人から7年連続の減少となったが4万人台は維持した。合格者数は、前年比6365人減で2年連続で減少した。受験者数、合格者数ともに試験実施機関が同センターに移行した84年以降では過去最低の人数。合格者数が前年比6000人以上減少したのも初めてである。
84年以降で最も合格者数が少なかったのは02年の5716人(受験者数5万3908人、合格率10・6%)だったが、同年と比べても1617人の減少、一気に4000人台前半まで落ち込んだ(グラフ参照)。



同時に発表された正答では、法規の4番の問題において、当初枝4を正解としていたが、枝1の限定条件が不足していたことにより、枝4とともに枝1も正解とする措置を講じた。
合格者の主な属性をみると、学歴・資格は「大学」が最も多く66・9%、前年と比べると6・5ポイント増加。「2級建築士の資格のみ」は20・9%で、前年比3・8ポイント減だった。
職域は、「建設業」の39・1%が最も多く、「設計事務所」の27・7%、「その他(不動産業、研究教育)」の17・9%が続いた。
職務内容で最も多かったのは「建築設計」の38・4%、次いで「現場管理」の24・4%、「その他(構造設計、研究、教育)」の24・7%の順。「建築設計」「現場管理」の占める割合は前年比減少しているが、「その他」は増加した。
年齢別では30歳〜34歳の30・9%が最も多かった。平均年齢は31・3歳で前年より0・6歳低下。男女比は男性が81・2%を占めた。
なお、2次試験となる「設計製図」試験は、「市街地に建つ診療所等のある集合住宅(地下1階、地上5階建)」を課題として10月8日に実施、12月19日に合格者を発表する。





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合格率が4.1ポイント上昇/受験者数は3万1000人台を維持/2級建築士学科

建築技術教育普及センターは9月5日、今年の2級建築士「学科」試験の合格者を発表した。7月2日に全国58会場で実施した試験には3万1238人が受験、1万1640人が合格した。合格率は37・3%。前年は合格率が10・7ポイントの大幅減となったが、今年は前年比4・1ポイント上昇した(グラフ参照)。
受験者数は、前年比242人減少しながらも3万1000人台を維持、合格者数は同1188人増となり3年ぶりに増加した。
合格基準点は、計画、法規、構造、施工の各科目が13点、総得点は60点であった(各科目25点満点、合計100点満点)。
合格者の主な属性を見ると、受験資格では「学歴のみ」が年々増加しており54・8%を占めた。職域は、「建設会社・工務店・大工」が約半数となる50・4%で最も多い。職務内容はここ数年、建築設計(25・9%)や施工現場管理(24・8%)、大工など技能労務(14・4%)よりも「その他」(31・3%)の割合が多い。
合格者の平均年齢は28・1歳で前年と変わらず。年齢別構成では24歳以下の割合が増加しており、今年は39・3%を占めた。男女比は、男性が73・0%、わずかであるが女性の割合が増している。
なお、2次試験となる「設計製図」試験は9月24日に実施、12月7日に合格者を発表する。







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合格率は2年連続増/受験者数は5年連続減/1級土木施工管理技士学科

全国建設研修センターは8月18日、2006年度の1級土木施工管理技術検定「学科」試験の合格者を発表した。7月2日に全国13地区38会場で実施した試験には5万0464人が受験、2万5846人が合格した。
受験者数は前年度比5741人減となり5年連続の減少。合格者数も同1791人減で、前年度の増加から減少に転じた。
合格率は51・2%で同2・0ポイント増、2年連続で増加するとともに4年ぶりに50%を超えた(グラフ参照)。
同試験は、出題全96問のうちから、必須と選択問題を合わせて65問を解答、39問以上の正解が合格基準となる。
合格者を勤務先別にみると、最も多いのが知事許可の土木業者で47・3%(前年度46・2%)を占めた。大臣許可の土木業者は23・1%(同24・8%)、公務員・公社が9・3%(同10・2%)で続いた。
年齢別では今年度、30歳〜34歳が30・0%で最も多かった。次いで25歳〜29歳の29・0%、35歳〜39歳の15・6%の順(前年度は、25歳〜29歳が最も多く33・0%、次いで30歳〜34歳の28・7%、35歳〜39歳の14・1%の順)。男女別では、男性が96・1%(同95・4%)を占めた。
なお、2次試験となる「実地」試験は10月1日に実施、合格者を07年1月19日に発表する。








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1級建築士から特定建築士を認定/社整審答申/士法改正案を今秋臨時国会提出へ

社会資本整備審議会建築分科会(分科会長・村上周三慶応大教授)は8月31日、耐震強度偽装事件の再発防止に関する最終報告をまとめ、北側一雄国交相に答申した。
建築士制度の見直しについては、建築士資格の付与要件を強化するとともに、構造設計、設備設計の高度な知識を持った1級建築士を「特定構造建築士(仮称)」または「特定設備建築士(同)」として認定する。答申を受けて国交省は、今秋の臨時国会に建築士法改正案を提出する方針だ。
建築士受験資格の学歴要件は、受験生が所定の学科を卒業しているかどうかの学科指定から、必要な知識を習得できる科目を履修しているかどうかの科目指定に変更。受験に必要な実務経験も原則として設計・監理業務となり、施工管理などの扱いは検討課題とした。
また一定規模以上の建築物を対象とし、「特定構造建築士」と「特定設備建築士」による設計図書の作成または設計が、法律に適合しているかどうかの法適合性証明の実施を義務付ける。
日本建築家協会などの一部団体から構造、設備の専門資格を創設するだけでなく、各専門を統括する役割を持った統括資格者の認定を求める提言も出されていたが、今回の答申ではこうした統括者資格を創設せず、1級建築士制度の枠組み内で専門資格者を認定する方向性が打ち出された。




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管理建築士による機能強化/建築士制度見直しで社整審答申

社会資本整備審議会建築分科会(分科会長・村上周三慶応大教授)が8月31日に北側一雄国土交通相に答申した耐震偽装事件の再発防止に関する報告書は、具体的な施策として▽建築士制度の抜本的見直し▽新築住宅の売り主などが瑕疵(かし)担保責任を履行するための資力確保措置▽建築行政における監督体制・審査体制の強化、建築関連情報の管理・提供体制の整備──などを提示した。
このうち、建築士事務所の業務を適正化するための施策では、管理建築士に一定の実務経験要件を付加することや、管理建築士の技術的な観点からの意見が建築士事務所の開設者に尊重されるよう措置を講じる。こうした管理建築士に関する施策は、日本建築士事務所協会連合会(日事連)が中心となって要望してきたもので、管理建築士などによる設計・工事監理の業務内容の事前説明と書類での確認も義務化する。日事連などが同じく要望事項に挙げていた団体加入の義務化については、将来的な課題として位置付けられた。
このほか、答申では建築士に対する研修や指定登録法人による建築士登録事務の実施、着工届け時に工事監理業務の契約書を添付させることなどが盛り込まれた。
瑕疵担保責任の履行の実効を確保するため、保険、供託、信託などの制度を整備し、住宅の売り主が相応の資力を確保するための措置を義務化する方向で検討が進められる見通しだ。




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