日建新聞 1月号 HEADLINE…紙面から主なニュースをピックアップ
長期優良住宅に最大600万円/住宅ローン減税を拡充/09年度与党税制改正大綱

住宅投資の活性化を地域経済の起爆剤とするため、住宅ローン減税について、最大控除可能額を過去最高水準まで引き上げる──自民・公明両党は2008年12月12日、住宅減税を第一の柱とする2009年度税制改正大綱を決定した……(全文)

伝統工法、国産材で条文追加/長期優良住宅普及促進法を公布
建築学とデザインの融合の場を/斎藤公男氏が建築講座/日本大学桜門建築会
ピアチェック期間32・5日に/08年1月よりも約7日短縮/国交省調べ
中央サポートセンター設置へ/構造・設備1級建築士の法適合確認など支援/国交省
48件を採択/グループ提案などを積極評価/超長期住宅先導的モデル08年度第2回公募/国交省
主要都市の高度利用地/地価上昇地点が消える/全地区で横ばいか下落/国交省のLOOKレポート ライセンスレポート
判例から/礼金返還請求を棄却/京都地裁 登録講習修了の合格者数が減少/全体の合格率は16・2%/宅建合格発表[PDF]
家具などの合同展示会開催/ハング・タグ・プロモーション協力の19社/アメリカ広葉樹輸出協会 5,685人が合格/給水装置工事主任技術者[PDF]
建築家がインフィルを設計/神奈川で新事業をスタート/2階3層建住宅/エースホーム 合格率アップでも52%の低水準/全体の約4分の1がランク3(知識・技能が著しく不足)/2級建築士設計製図[PDF]
CO2削減を住宅1棟で展示/住生活グループ4社が共同で出展/エコプロダクツ2008 488人が合格、合格率は8.0%/土地家屋調査士[PDF]
現行制度延長でも3万戸の効果/住宅ローン減税で住宅不動産市場研が試算 436人が合格、合格率は68.1%/木造建築士「設計製図」試験[PDF]
中古住宅での利用が拡大/フラット35利用者調査/住宅金融支援機構 最終合格者は153人/マンションリフォームマネジャー[PDF]
9万2,123戸で前年同月比19.8%増/前年同月比は戸数、床面積とも4カ月連続の増加/新設住宅着工戸数2008年10月[PDF]
年頭コラム/住生活向上と消費者保護の施策、実質的なスタートを今年迎える[PDF] [PDF]とあるものは、PDFで記事面を掲載
建声


長期優良住宅に最大600万円/住宅ローン減税を拡充/09年度与党税制改正大綱

住宅投資の活性化を地域経済の起爆剤とするため、住宅ローン減税について、最大控除可能額を過去最高水準まで引き上げる──自民・公明両党は2008年12月12日、住宅減税を第一の柱とする2009年度税制改正大綱を決定した。08年12月で終了予定の住宅ローン減税は拡充して5年延長。とくに08年12月5日に公布された長期優良住宅の普及促進法に基づいて認定された住宅(長期優良住宅)は最大控除額を過去最高の600万円まで引き上げると同時に、自己資金で建設した場合も、耐久性・耐震性向上などの性能強化のために追加的にかかった費用の10%を控除する制度を創設する。

住宅ローン減税は、対象となる借入金の限度額を5000万円まで拡充し、一般住宅は借入残高の1・0%を10年間、所得税から減税する。最大控除額は500万円。限度額は09年、10年の入居者が5000万円で、以降1年ごとに1000万円ずつ段階的に減っていく。
これとは別に、長期優良住宅については、限度額5000万円に対して1・2%を控除し、10年間で最大600万円を減税する。09年〜11年の入居者は限度額5000万円で控除率1・2%、12年、13年は段階的に縮小していく(表参照)。
これらの減税は、所得税を対象としたものであるが、新たに住民税も加えた。住宅ローン減税額が所得税額を上回った場合、その残額を住民税から控除する。所得税の課税総所得金額の5%で、上限は9万7500円。所得税が少ない人に対しても、住民税を加えることで減税額を拡大する。

住宅ローン減税制度(所得税)
*控除期間はいずれも10年間

居住年 住宅借入金等の
年末残高の限度額
控除率



2009年 5,000万円 1.0%
2010年 5,000万円 1.0%
2011年 4,000万円 1.0%
2012年 3,000万円 1.0%
2013年 2,000万円 1.0%

最大控除額は09年、10年に入居した場合の500万円






2009年 5,000万円 1.2%
2010年 5,000万円 1.2%
2011年 5,000万円 1.2%
2012年 4,000万円 1.0%
2013年 3,000万円 1.0%

最大控除額は09年、10年、11年に入居した場合の600万円


住宅投資にも減税
ローン減税だけでなく、自己資金などにより新築、改修を行った一定の住宅に対して所得税を控除する、住宅投資への減税制度を創設する。
長期優良住宅を新築して11年までに入居した場合は、一般住宅より余分にかかった費用の10%を所得税から控除する。耐久性、耐震性、省エネ性、可変性、更新の容易性などの項目ごとに、基準に適合している床面積に応じて標準額を基に計算、上限は1000万円。なお、所得が年3000万円を超える場合は適用しない。
既存住宅についても一定の要件を満たす省エネやバリアフリー改修を行った場合は、改修工事費か標準的な工事費のうち少ない方から、その10%の金額を所得税から減税する。09年、10年が対象で、200万円が上限(太陽光発電設置の場合は上限300万円)。
このほか、住宅に係る耐震改修促進税制は、新たに耐震診断のみを補助している地域も含め、さらに、補助金額の下限要件を撤廃して適用期限を5年延長。09年1月1日以後に行う耐震改修に適用する。
土地税制では09年3月末に終了する不動産取得税の特例措置である標準税率3%(本則4%)を3年延長する。




伝統工法、国産材で条文追加/長期優良住宅普及促進法を公布

「長期優良住宅の普及の促進に関する法律案」が08年11月28日、参院本会議で全会一致で可決、成立し、12月5日に公布された。6月までに施行される。
同法はまず、普及促進に必要な施策、認定などに関する基本方針を国土交通大臣が定め、一定の基準に適合していれば各自治体が長期優良住宅として認定するもの。住宅事業者などは、長期優良住宅の建築計画を作成し、認定を受けることになる。認定された住宅は住宅履歴情報などの記録を作成し、保存しなければならない。
国土交通省は今後、基本方針の策定や構造・設備や維持保全方法の認定基準作成、履歴情報として保存する項目など具体案の作成にかかる。
国会審議においては修正が加えられ、普及促進のための措置として人材育成と資質の向上、木造の伝統的技術を含めた研究開発の促進などを新たに追加した。また国土交通大臣が基本方針を定めるにあたっては、環境問題にも配慮し「国産材その他の木材を使用した長期優良住宅の普及が図られるよう配慮する」という条文が加えられた。木造伝統工法による住宅と国産材の使用について、技術開発と普及を国として進めていく姿勢を法律に盛り込んだ。
衆院、参院とも付帯決議で、既存住宅についても改修、維持保全、流通促進などにより長寿命化を図るとともに、長期優良住宅への認定方法を検討することが採択された。




建築学とデザインの融合の場を/斎藤公男氏が建築講座/日本大学桜門建築会

日本建築学会会長で日本大学名誉教授の斎藤公男氏が11月17日、「日本建築学会会長として、考えていること、やっていること─アーキニアリング・デザイン展を中心として」と題する講演を行った。これは、日本大学桜門建築会が主催し、東京・文京区の湯島ガーデンパレスで開催された建築講座で、約70人にのぼる聴衆が集まった。
斎藤氏は、日本建築学会会長の任期におけるこれまでの自身の活動を振り返りながら、特に「建築学とデザイン(力)の融合──新たなる発表・交流の場をつくる」というテーマでの活動を詳しく解説。08年の9月に広島大学で行われた日本建築学会大会(中国)で新たに創設した「建築デザイン発表会」は、「学術研究は研究室ごとに深められているが、分野を横断し、総合的にまとめて見せたい」という意図から生まれたものであることを説明した。発表会では「木造建築の可能性」「構造の論理性と感性」「環境の視点から」「水辺空間と都市デザイン」という4つのテーマに沿って発表と講評を実施。大会全体では6551人という過去最高の参加者を記録したことを明らかにし、研究室や大学を越えた刺激的な交流の場を創出したことを強調した。
また、08年10月17日から28日まで東京・三田の建築会館で行われた「アーキニアリング・デザイン(AND)展──テクノロジーと建築デザインの融合進化2008」について、展示や講演、フォーラムの活気ある様子をプロジェクターを用いて解説。国内外を問わず古代から現代に至るまで、世界遺産の建造物や話題の現代建築の模型は、大半が学生によって今回新たに制作されたもの。8つのテーマに分けて建物の仕組みを解剖しながら展示したことを説明した。触ることのできる模型も多数用意され、子どもから専門家まで、多くの市民が楽しみながら建築について考える場が提供された。
斎藤氏は「一般の人が建築界を見るときに、大きなまとまりがあることを伝えたいという強い思いをもっている。今回の展覧会では学生の力を借りて、建築の面白さと大切さを表現できた。市民に多く来場いただいたことで、建築物のもつ魅力を伝え、建築の職能を社会に広く開くきっかけをつくることができたのではないか。こうした展覧会は全国に巡回するなど、継続して行いたい」と抱負を語った。
加藤純(フリーライター)




ピアチェック期間32・5日に/08年1月よりも約7日短縮/国交省調べ

改正建築基準法により制度化され、建築確認混乱の原因にもなった構造計算適合性判定(ピアチェック)の審査期間が、短縮傾向にあることが国土交通省の調べで分かった。ピアチェックの受付から判定終了までの期間は、08年9月の調査で32・5日と、1月調査の39・3日より約7日の短縮となっている。11月の衆院国土交通委員会で報告された。
耐震構造問題を受けて07年6月にスタートしたピアチェックは、高度な構造計算を的確にチェックするのが目的で、一定規模以上の建築を対象とし、通常の建築確認審査に加えて実施が義務付けられている。国交省のまとめによると、08年3月のピアチェック合格件数は約2000件。申請件数、合格件数ともに毎月2000件程度で推移している。
ピアチェック制度の開始から1年半が経過し、審査期間の短縮など運用の円滑化が図られているが、申請から判定終了まで2、3週間ですむものもあれば、数カ月かかるものもあるという。
こうした審査期間に差が生じるのは、構造計算適合性判定機関(都道府県知事が指定)で行うマネジメントの良し悪しが影響しているほか、構造計算書の内容に不備があることも要因に挙げられている。




中央サポートセンター設置へ/構造・設備1級建築士の法適合確認など支援/国交省

08年11月28日の改正建築士法の施行を受けて国土交通省は、構造・設備技術者の紹介や設計・法適合確認などの支援を行う「中央サポートセンター(仮称)」を設置する。改正建築士法の円滑な運用を目的としたもので、12月に設立総会が開かれ、年明けにも正式発足する予定だ。
改正建築士法では、09年5月27日から一定規模以上の建築物について構造設計1級建築士と設備設計1級建築士が構造、設備の設計を行うか、法適合の確認を行うことが義務付けられる。サポートセンターは、こうした技術者を確保して設計・法適合確認を支援するほか、関連法制度にかかわる相談対応を実施する。
国交省の制度案によると、サポートセンターは中央と地方に設置される。中央サポートセンターは、地方サポートセンターからの要請や取次ぎに応じて (1)設計・法適合確認の支援 (2)建築基準法・住宅瑕疵(かし)担保法にかかわる相談への対応 (3)人材育成(検討中)──などを実施する。地方サポートセンターでは、建築士事務所、工務店、建築主などから相談や依頼があれば、資格者リストの中から構造・設備設計技術者を紹介。中央サポートセンターと同様に建築基準法、住宅瑕疵担保法にかかわる相談も受け付ける。
さらに、地域ニーズに応じて耐震改修や省エネ計画書の作成支援など幅広い業務展開を検討していく。地方ではすでに、沖縄県建築設計サポートセンターやNPO法人静岡県建築物安全確保支援協会が活動している。




48件を採択/グループ提案などを積極評価/超長期住宅先導的モデル08年度第2回公募/国交省

国土交通省は08年11月、2008年度の第2回「超長期住宅先導的モデル事業」について48件の採択プロジェクトを決定した。今回の募集も第1回と同様に5部門で公募、各部門別の採択件数は▽住宅の新築=29件▽既存住宅等の改修=7件▽維持管理・流通等のシステムの整備=8件▽技術の検証=2件▽情報提供および普及=2件──となった。補助金の額は、今後精査して決定することにしている。第3回の公募は1月以降で検討している。
住宅の新築(戸建)では、工務店による連携、さらに設計事務所、建材業者を加えたものなど、協会や組合を含めて複数の業者によるグループ提案が10件を占めた。こうした提案は「普及性・波及性を期待できる」として、個別の事業者とグループとの両方の取り組みが相互補完されることにより、中小事業者の技術力や住まい手への対応力の向上を図っているものは優位に評価された。
また、森林組合・業者などと協力することにより、地域産材を活用した提案も多かった。たんに地域材の活用のみでは採択されなかったが、資源の循環利用や、地域における住宅生産体制と技術の確保などに寄与するものを評価している。
今回は08年8月1日から9月12日にかけて公募、前回の約半数となる計325件(うち1件は申請取り下げ)の応募があった。このうち住宅の新築部門が全体の4分の3を占め、さらに木造戸建住宅への提案が多かった。各モデルの評価は建築研究所に設置された評価委員会と専門委員が行った(委員長・巽和夫京都大学名誉教授)。今回は提案書の様式を一部変更して記載内容を充実したことにより、追加資料の請求のみで、ヒアリングは行われなかった。

採択プロジェクトは次の通り。
▼プロジェクト名=(1)提案者 (2)提案概要

住宅の新築(戸建)
▼長期利用支援住宅(セキスイハイム・ツーユーホーム・セキスイハイムシェダン・明石/高丘分譲プロジェクト)=(1)積水化学工業住宅カンパニー・北海道セキスイハイム・セキスイハイム近畿 (2)耐震性、省エネルギー性能、住み替え支援や既存住宅の再資源化、ゼロエミッションの取り組みなど、多項目にわたる総合的な提案
▼キゴコチのいい家 シリーズBoxy=(1)三協建設 (2)埼玉県を中心に展開する工務店による、埼玉県産材(西川材)を活用した多項目にわたる提案
▼「国産自然素材無垢材の家」国産無垢材を用いた超長期住宅事業=(1)明城 (2)愛知県を中心に展開する工務店による、国産材を活用した多項目にわたる提案
▼木も技も持続・循環・継承させる岩手の住まい=(1)杢創舎 (2)岩手県を中心に展開する工務店と地場の製材業者のグループによる、伝統的工法を採用した多項目にわたる提案
▼東京/森の木の家プロジェクト=(1)東京家づくり工務店の会 (2)東京を中心に展開する複数の工務店グループによる、多摩産材を活用した多項目にわたる提案
▼ミサワホーム超長期住宅(育てる住まい・末永く住み継がれる住まい・持続的まちづくりのモデル)=(1)ミサワホーム・ミサワホーム西関東 (2)耐震性、省エネルギー性能、流通促進等に関する総合的な提案
▼Green Avenue 日進笠寺山=(1)トヨタすまいるライフ (2)戸建分譲住宅地の建設にあたって、耐震性、省エネルギー性能、長期の保証などと合わせて、環境共生に配慮したまちづくりを行う提案
▼家づくりサポートセンターによるユーザーと地元工務店と共に実現する長寿命住宅=(1)ナイス (2)建材流通業者による、多数の工務店等の支援を含めた多項目にわたる提案
▼「杉三層パネルを使った地域材民家の普及事業」=(1)エムズ建築設計事務所 (2)設計事務所が中心となった、多数の地域の工務店等と全国の林産地の森林組合・業者のグループによる国産材を活用した多項目にわたる提案
▼京都の環境・住まいを育てるしくみづくりプロジェクト=(1)ディー・エー・シー彩工房 (2)近畿圏を中心とした工務店、設計事務所、製材業者、住まい手等の様々な主体が連携した複数の研究会などのネットワークによる、京都の町家の建替えを前提とした提案
▼『しそう杉の家』の地域ブランド化による超長期住宅モデルの普及促進=(1)山弘 (2)兵庫県の工務店と製材業者が協同組合を組織し地域材(しそう杉)の活用に取組む多項目の提案
▼「近くの山の木で家をつくる会」・BeV Standard超長期住宅モデルプロジェクト=(1)町の工務店ネット (2)多数の地域の工務店等と全国の林産地の森林組合・業者のグループによる国産材を活用した多項目にわたる提案
▼EPIOS超長期住宅対応仕様=(1)八木木材産業 (2)静岡県を中心に展開する工務店による、耐震性、維持管理容易性、街並みなど多項目にわたる総合的な提案
▼ポラスの超長期構法『ポラス サステナブル システム』=(1)ポラテック (2)関東を中心に展開する住宅事業者による、省エネルギー性能に関する取組みをはじめとした総合的な提案
▼テクノストラクチャー 200年リレーシステム 強い構造体と家歴書DBで、長く大切に住み継ぐために=(1)パナソニック電工 (2)建材業者が中心となって、サポートセンターの設置など、地元工務店を全国規模で支援することを含んだ提案
▼木住協 ながい木の家モデル 地震に強い設(しつらい)の家=(1)日本木造住宅産業協会 (2)木造軸組工法住宅を供給する全国組織による会員企業の中小工務店等を対象とした提案
▼東急ホームズ『世代を超えて住み継がれる住宅』=(1)東急ホームズ (2)耐久性の確保、住宅の維持管理の「見える化」、不動産流通促進に関する取組みなどを行う総合的な提案
▼スウェーデンハウス「快適性が持続する家」プロジェクト=(1)スウェーデンハウス (2)輸入住宅による、多項目にわたる総合的な提案
▼信州エコハウスシステム超長期住宅モデル=(1)北信商建 (2)長野県を中心に展開する工務店と製材業者などによる、県産材を活用した多項目にわたる提案
▼一条「夢の家」超長期モデル=(1)一条工務店 (2)免震の導入にあたって点検体制を整備するなど、耐久性・耐震性をはじめとした総合的な提案
▼ワークショップ「き」組の家=(1)ワークショップ「き」組 (2)複数の材木店、設計事務所、工務店等のグループによる林産地との連携を通じた木造住宅に関する多項目にわたる提案
▼「美しい茨城の住宅」超長期モデル=(1)美しい茨城の住宅をつくる会 (2)茨城県を中心に展開する複数の設計事務所、工務店、材木店のグループによる、地域に根ざした住宅の提案
▼近鉄Air wood 超長期住宅モデルプロジェクト・近鉄白庭台分譲住宅超長期プロジェクト=(1)近鉄不動産住宅 (2)近畿を中心に展開する住宅事業者による、地域材を活用した総合的な提案
▼木造ドミノ住宅=(1)木造ドミノ研究会 (2)複数の地域工務店・設計事務所の研究会グループによる在来軸組工法を用いて自由度の高い大空間を確保することを提案の中心にした多項目にわたる提案
▼トステムコンセプトモデル 自然採暖採涼設計の家=(1)トステム (2)建材・住宅設備メーカーによる、耐久性、省エネルギー性能等の総合的な提案
▼じゆうじざい・『家族のきずなを育む家』先導的モデル事業=(1)ひまわりほーむ (2)首都圏および北陸を中心に展開する工務店による多項目にわたる総合的な提案

住宅の新築(共同)
▼三郷200年住宅開発計画=(1)三郷200年住宅開発コンソーシアム (2)埼玉県三郷市の柱・梁型を出さないPRC構造の共同住宅に関する提案
▼UR賃貸住宅「ヌーヴェル赤羽台」B・C街区=(1)都市再生機構 (2)東京都北区の複数の共同住宅(賃貸)による団地の提案
▼「美しが丘共同住宅プロジェクト」〜超長期にわたる資産価値保持のためのトータルコーディネイトシステム=(1)大京 (2)横浜市の共同住宅に関する提案

既存住宅等の改修
▼長く愛される住宅リフォーム=(1)三井ホームリモデリング (2)ツーバイフォーのみならず、在来工法も含めた、木造住宅における全面的な改修の提案
▼住友林業ホームテック「既存木造住宅の超長期住宅システム」=(1)住友林業ホームテック (2)在来軸組工法の住宅における全面的改修で、耐久性、耐震性に関する基本性能の確保を必須要件とし、必要に応じ維持管理容易性、省エネ性等の性能向上などを実施する提案
▼リノヴェックス─インフィル超長期システム=(1)インテリックス (2)中古マンションの再生流通を行う事業者による共同住宅等の専有部分の部分改修構法の提案
▼東急ホームズの全改装リフォーム『暮らしアップ』=(1)東急ホームズ (2)ツーバイフォーのみならず、在来工法も含めた、木造住宅における全面的な改修の提案
▼京都型リノベーションシステム=(1)ゼロ・コーポレーション (2)京都市内の木造住宅の全面的な改修の提案
▼木造建築病理学・「既存ドック」システム=(1)住宅医ネットワーク (2)関西・東海地域において、NPO、工務店、教育機関のグループによる木造住宅の全面的な改修の提案
▼ミサワホーム超長期住宅:ホームイングモデル住み継がれる住宅への継続的改修の仕組み=(1)ミサワホーム (2)自社物件に限らず、在来工法についても新築の基本性能相当の性能を実現する全面的な改修の提案

維持管理・流通等のシステムの整備
▼図面引越しサービス「Data-Bankシステム」の整備=(1)スマイル・コミュニケーションズ (2)図面管理システムの開発・販売メーカーによる、中小住宅生産者等が対応しにくい図面データ保存等をインターネットを用いて行う提案
▼超長期に住宅(集合住宅の専有部分)を利用し住宅の価値を維持するためのハウスバリュー・サポートシステム構築=(1)ハウスソリューション (2)マンションの専有部分を対象とする履歴情報システムの整備の提案
▼超長期住宅の維持管理に寄与する住宅部品のトレーサビリティ管理=(1)積水化学工業住宅カンパニー (2)自社の住宅を対象とした住宅部品の履歴の一元管理システムの提案で、新築時の工場出荷部品だけでなく、現地調達品の履歴管理、さらには維持・改修時の部品の履歴管理(工場出荷・現地調達)を実施する提案
▼元請業者による住宅履歴情報の蓄積・活用を支援するサービス=(1)INAXサービス事業推進部 (2)住宅設備メーカーによる工務店等のサポートのための履歴情報システムの整備の提案
▼住まいるBANK(構造性能安心管理システム)=(1)日本木造住宅耐震補強事業者協同組合 (2)木造住宅の耐震診断・改修を行う協同組合がその記録を保存・蓄積するシステムの整備を行う提案
▼中小工務店向け住宅履歴データ管理と流通促進=(1)ナイス (2)建材流通業者による中小工務店向けの住宅

履歴情報システム整備の提案
▼【e家カルテ・エコノミー】を活用した住宅の維持保全および流通にかかる持続的な情報管理システムの事業化=(1)住宅維持保全・流通情報研究開発コンソーシアム (2)宮城県において、工務店等とソフトベンダーが協同して、地域工務店向けの住宅履歴情報システムを整備する提案
▼マンション管理組合生涯支援システム=(1)明豊エンタープライズ (2)東京都・神奈川県を中心に展開する分譲事業者による共同住宅の管理組合のサポートプログラムに関する提案

技術の検証
▼高齢世帯所有の部屋ストック有効活用の可能性〜ホームシェアプログラムによる活用提案=(1)NPO法人ハートウォーミングハウス (2)ハウスシェアリングの普及活動を行うNPO法人による、世田谷区における高齢世帯の住宅をルームシェアにより活用する社会実験の提案
▼社会資産型低層アパート推進技術=(1)積水ハウス (2)低層アパートの再生に係る検証実験の提案

情報提供および普及
▼TDYグリーンリモデル・長持ち住宅展示(既存住宅改修例)=(1)大建工業 (2)複数の建材メーカー(3社)による改修前後の展示の提案
▼体感型モデルハウス「時を愉しむ家」提案=(1)大和ハウス工業 (2)展示場住宅を半年ごとに改修し、時間経過に対応した住宅のあり方を提示する提案




主要都市の高度利用地/地価上昇地点が消える/全地区で横ばいか下落/国交省のLOOKレポート

主要都市の高度利用地の地価は、上昇地区が姿を消した。国土交通省の地価LOOKレポートによる2008年第3四半期(7月1日─10月1日)の地価動向報告で明らかになったもの。今回は前期まで見られた上昇地点が姿を消し、調査した150地区のすべてが横ばいまたは下落に転じた。
このうち下落した地区が全体の85%を占める128地区にのぼるなど、地価の下落傾向が顕著になってきている。三大都市圏では、9割を超える地区で下落となり、大阪圏および名古屋圏では、過半数の地区で3%以上の下落となった。地方圏では、横ばいの地区と下落の地区がほぼ同数となっているが、福岡、仙台では調査した全地区で下落となった。
下落傾向の主な要因は、サブプライムローン問題の波及による景気の停滞や新規分譲マンションの販売不振、資金調達環境の悪化などを背景に、土地の需要が減退していること。それにオフィスなどの空室率の上昇や賃料下落による収益力の低下も下押ししているとみられる。
東京圏で横ばいにとどまったのは「表参道」「新宿三丁目」「歌舞伎町」の3地点のみとなった。東京圏では、都心部のブランド力の高い商業地を含め、9割を超える地区で下落となった。
大阪圏では前期に上昇した「西梅田」「茶屋町」「長堀」などもすべて下落に転じた。
一方、賃貸住宅(主に賃貸マンション)の賃料は、多くの地区で横ばいだった。
調査対象は、東京圏65地区、大阪圏39地区、名古屋圏14地区、地方圏32地区。住居系と商業系の別では、住居系が高層住宅などにより高度利用されている42地区、商業系は店舗、事務所などが高度に集積している108地区。不動産鑑定士が各地区の情報収集と動向把握を行った。




判例から/礼金返還請求を棄却/京都地裁

「礼金は一方的に強制された根拠のない金銭であり、消費者契約法に違反する」という借主の礼金返還請求を棄却する判決があった。京都地裁は08年9月30日、「信義則に反して消費者の利益を一方的に害するとの事情は認められない」という判断を下した。
借主は04年3月、賃料6万1000円、礼金18万円、更新料2カ月分などを条件に、京都市内の物件について貸主と1年間の賃貸借契約を締結した。
契約書には「借主は礼金の返還を求めることはできない」旨の約定があった。
借主は約7カ月後に退去した。礼金の返還を求めて簡易裁判所に提訴したが棄却され、京都地裁に控訴したものである。
京都地裁の判断の要点は以下の通り。
▼名目にかかわらず、使用収益の対価として受け取る金員は賃料に該当する。賃料支払時期を定める民法614条は任意規定であるから、賃貸借契約成立時に一部を前払いさせることは可能である。
▼契約書に礼金の額が18万円であること、返還されないことが明記されており、借主は自己の負担すべき金額を容易に認識し得る。
▼借主は立地、間取り、設備、築年数などの物件の属性や、一定期間の使用収益に必要な経済的負担などを考慮し、複数の候補物件の中から、礼金の金額を分かったうえで本件物件を選択しているので、借主が不利とはいえない。
▼本件礼金は賃料前払いの性質を有するから、契約書に明記して契約締結の際に徴収しても、貸主が不当な利益を得ることにはならない。
▼借地借家法の制定時、礼金は禁止されなかった。公営住宅法や旧住宅金融公庫法が礼金を禁止していることをもって、本件礼金約定が非難に値するとまでいうことはできない。
▼約3カ月分の礼金は、証拠として認められた京滋地域の礼金の平均額(2・7カ月分)と比べて高額ではない。
▼借主は礼金が返還されないことを承知しながら、自ら中途解約した。貸主は中途解約の場合でも礼金を返還しない前提で賃料を設定しており、このような期待は尊重されるべきである。
▼礼金は自然損耗の修繕費用の二重取りであるという借主の主張に対しては、通常、修繕費などの必要経費は賃料に含まれている。それを賃料の名目で回収するか礼金の名目で回収するかは、地域の慣習などを踏まえて貸主の自由に委ねられている。したがって二重取りとはいえない。
この判決の全文は裁判所のホームページの裁判例情報(PDFファイル)に掲載されている。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081015110211.pdf




家具などの合同展示会開催/ハング・タグ・プロモーション協力の19社/アメリカ広葉樹輸出協会

アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC、辻隆洋日本代表)は、アメリカ広葉樹が適正な管理により持続可能な森林資源であることをタグ、シール、説明書などで消費者にアピールする「ハング・タグ・プロモーション」を展開しているが、11月27日から6日間、東京・新宿のリビングデザインセンターOZONEで「ハング・タグ・プロモーション協力企業展示会」を開催した。同プロモーションに協力している33社のうち19社が参加し、アメリカ広葉樹を使用したテーブル、椅子、ソファ、ケースから小物まで各社オリジナルの製品を展示した。
ハング・タグ・プロモーションに焦点をあてた合同展示会は初の開催。辻代表は「一般の方に実際に触れていただき、もっと(アメリカ広葉樹を)知ってほしい、という協会と各メーカの思いが一致したことが開催につながった」と今回の展示会について述べた。
アメリカ広葉樹とは、米国東部の広葉樹林で生育するさまざまな温帯広葉樹の総称。チェリーやウォルナット、ハードメープルなどが一般的だが、種類が多く、また同じ樹種でも育成する地域によって材質が異なり、イメージもかわってくることが特徴。
ハング・タグ・プロモーションは2000年8月からスタート。当初は5社であったが、「ここ2、3年でぐっと増えた」(辻代表)ことにより、現在は33社まで拡大している。




建築家がインフィルを設計/神奈川で新事業をスタート/2階3層建住宅/エースホーム

住宅フランチャイズ事業を展開しているエースホーム(東京都新宿区、竹田善明社長)は、住宅の間取りや内装・設備など(インフィル)を建築家と相談しながら購入者のニーズに応える新たなサービス「ハウスシンジケート」を神奈川県で開始した。第1弾商品「L3(エルキューブ)」を開発し、モデル棟をタレントの杉浦太陽氏のプロデュースにより湘南に建設した。09年の販売目標は100棟で、販売地域も東京、千葉、埼玉に順次拡大していく予定だ。
エルキューブは、土地も含めて住宅購入を検討している1次取得者層をメインターゲットとした木造在来工法による住宅。S、M、Lの3種類の高さのモジュールを組み合わせることを基本とし、床面積に算入されない高さ1・4メートル以下のSの空間を上下階の間に挿入することで2階3層建のスキップフロアとし、大型収納としての利用やライフスタイルにあわせた立体的な構成を建築家と相談しながら決定していく。
集客は同社がインターネットを中心に展開して建築家に紹介。建築家は基本設計・仕様を施主に提案し、予算も含めて合意すれば、建築家と施主との間で設計監理契約を交わす。構造躯体(スケルトン)と保証関連、外観デザインの提案は同社が担当。見積概算の作成、ローン融資、資材の購入支援なども同社がサポートする。現在、パートナーとなる建築家も募集。神奈川を中心に東京、千葉、埼玉エリアで活動できる1級建築士で10人前後との提携を考えている。
08年11月27日に都内で行った記者会見で竹田社長は「全国に50の加盟店があるが、首都、大阪、近畿、名古屋など大都市圏はカタログ請求は多いものの加盟店はない。そこで、新しいビジネスモデルを立ち上げた」と新事業への経緯を語り、商品開発部の内藤健太郎氏は「新たなパートナーを模索した結果、建築家となった。第1弾を湘南から始めることで、ブランド力を発揮していく」と述べた。




CO2削減を住宅1棟で展示/住生活グループ4社が共同で出展/エコプロダクツ2008

住生活グループのトステム、INAX、東洋エクステリア(TOEX)、トステムビバの4社は08年12月11日から3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された環境技術と環境型社会の普及を目的とした「エコプロダクツ2008」に共同出展した。住生活グループは今回、「暮らし、マイナスCO2〜あなたの暮らしはこれだけかわる、減らせる」という共同のメッセージを掲げた。
展示ブースは来場者にとって実感しやすいように、住宅1棟分のレイアウトで、「断熱」「節水・省エネ」「自然共生」という3つのキーワードに分類し、各エリアに適した各社の商品を展示した。
断熱エリアは、トステムの断熱玄関ドア「アヴァントス」、高断熱・高気密・高耐震な住空間をつくる構造体「スーパーウォール工法」、断熱性が高い大開口サッシ「ワイドウィン」などを展示。断熱効果によって冷暖房エネルギーを低減し、年間でマイナス922キロのCO2を削減する。
節水・省エネエリアは、無駄な流水がないINAXのキッチン用タッチレス水栓「ナビッシュ」とトステムのキッチン「クレディア」、INAXとトステムのシステムバスルーム「ラ・バス」などを展示。INAXの節水トイレ「レジオ」を使うと、年間でマイナス72キロのCO2を削減する。
TOEXのガーデンルーム「ジーマ」などを設置した自然共生エリアは、自然との共生と省エネ効果も併せ持つ空間をテーマに、暮らし方も含めて提案した。
家庭から出されるCO2の3分の1は、冷暖房や水まわりから発生しているといわれるが、CO2削減に何がどの程度結びつくのか意識しにくい。今回の展示では、ライフスタイルや設備選びの視点を見直すだけで削減できるCO2の量を数字で提示。同グループは、最新の環境配慮型商品のエコ性能を知ってもらうとともに、CO2削減意識を高めてもらうことを今後も目指す。
エコプロダクツ2008は今年で10回目の開催、出展規模は758社・団体、1796小間と過去最大となった。「もうできる! CO2マイナス50% エコライフ」をテーマに、環境ビジネス市場が世界的に拡大していることも踏まえて、エコが生み出すビジネス支援も強化された。





現行制度延長でも3万戸の効果/住宅ローン減税で住宅不動産市場研が試算

住宅ローン減税の延長が実施された場合、住宅着工戸数に与える効果は2009年度で3万4,000戸、10年度ではさらに3万戸の上積みが予想される──住宅不動産市場研究会が、政府の景気刺激策として住宅ローン減税の延長が実施された場合の住宅着工戸数に与える影響について試算した。減税効果は08年度が前年度比6%増の109万8,000戸になると予測。09年度は08年度比2%増の112万3,000戸に、10年度は09年度比1%増の113万7,000戸になると試算している。
試算通りであれば、07年度に前年度比2割減の103万戸台に落ちた着工戸数は3年連続で増加することになる。現行の住宅ローン減税は、08年12月末が適用期限であり、現行と同じ仕組みの減税が延長されたと仮定したうえでの予測となっている。




中古住宅での利用が拡大/フラット35利用者調査/住宅金融支援機構

住宅金融支援機構がまとめた2008年7月〜9月のフラット35利用者調査(調査件数9,079件)によると、中古住宅での利用が拡大している。中古戸建購入は464件で構成比5.1%(前年同期は291件で同3.1%)、中古マンションは731件で同8.1%(前年同期は373件で同4.0%)に上昇。前年同期と比べて首都圏のシェアと40歳代、50歳代以上の利用が拡大している。中古戸建をみると首都圏が31.2%を占め、前年同期比10.6ポイント増、40歳代と50歳代の利用者を合わせると45.7%となり同14.1ポイント増えた。調査結果では、新築住宅の売れ行きが不振な中で、価格の安さから中古住宅を取得しようとする堅実な動きが見られると分析している。




9万2,123戸で前年同月比19.8%増/前年同月比は戸数、床面積とも4カ月連続の増加/新設住宅着工戸数2008年10月

国土交通省が発表した2008年10月の建築着工統計調査報告によると、新設住宅着工戸数は前年同月比19.8%増となる9万2,123戸で、4カ月連続の増加となった。前年の改正建築基準法施行による着工数の落ち込みの反動による増加が続いているが、利用関係別では持家と分譲戸建住宅が4カ月ぶりに減少へ転じた。マンションは前年同月比96.3%増でほぼ倍の着工戸数があった。季節調整済年率換算値は102万7,000戸で先月よりも9万9,000戸減少した。
新設住宅着工床面積は747万5,000平方メートルで、前年同月比9.9%増で4カ月連続の増加だが、増加率は10%を割り込んだ。

2008年10月新設住宅着工戸数 92,123 日建新聞の「新設住宅着工戸数」面がPDFでご覧になれます。下の画像をクリックしてください。
戸数 戸数
建築主体別 資金別
公共  2,089 民間資金 82,853
民間 90,034 公的資金 9,270
利用関係別  公営住宅 1,491
持家 26,533  公庫融資住宅 3,394
貸家 42,940  再生機構住宅 405
給与住宅 687  その他の住宅 3,980
分譲住宅 21,963 都市圏別
 (うち戸建て) 9,012 首都圏 29,735
構造別 中部圏 13,440 PDFファイルにはAdobe社のAcrobatReaderが必要です。下をクリックしていただければ、無償ダウンロードができます。
木造 43,545 近畿圏 13,750
非木造 48,578 その他地域 35,198

国土交通省基礎統計資料より(http://www.mlit.go.jp/statistics/details/index.html





年頭コラム/住生活向上と消費者保護の施策、実質的なスタートを今年迎える

2008年を振り返れば、内外ともに多事多難な1年でありました。その最たるものを挙げますと、なんといっても、アメリカのサブプライムローンが発端となった金融危機が現在も拡大していることです。この結果、経済不況は米国だけにとどまらず日本経済の景気悪化にもつながっています。製造などの大手企業では生産計画の縮小や雇用削減が次々と発表され、倒産件数は戦後最悪を更新しています。この先行きが見えない不況のなか、今年の住宅・建築業界を取り巻く状況は、どのように変化するのでしょうか。

2期連続のマイナス
ところで強調しておきたいのは政治や経済のいわゆるグローバル化によって、アメリカ経済の動向がほとんど同時進行の形で、日本にもインパクトを与えることです。
そのいくつかの例証を見ますと、まずGDP統計です。政府発表によりますと、08年7〜9月期の実質成長率(2次速報)は前期比0・5%、年率換算では1・8%のいずれもマイナス、2期連続の下向線を鮮明にしました。また、今後の見通しについても民間シンクタンク10社の08年度平均成長率は実質0・5%、09年度は1・2%のいずれもマイナスを予測しています。
そして、住宅・不動産、建設企業の大型倒産が相次いでいます。帝国データバンクによりますと、08年11月現在の上場企業の倒産は31社で、すでに戦後最多を更新しています。このうち23社が、住宅・建築と不動産関連企業が占め、全体の7割を超えています。こうした状況を反映して、住宅・建築関連企業に対する金融機関の貸しはがし、貸し渋りが横行しています。全国商工会連合会の調査によりますと、こうした「憂き目」に遭ったケースの3分の1は住宅・不動産関係です。

曙光は差すのか
こうした中で曙光はまったく見えないのかというと必ずしもそうではありません。
わが国の住宅ストックの多くが狭隘かつ老巧化している上に耐震性その他防災の面で問題を抱えていることは今さら多言を要さないところであり、これらの潜在的な改築需要には実に膨大なものがあります。また、地球温暖化と資源の有限性に対応するいわゆるエコ住宅や長寿命化への取組み強化などは新しい市場開拓にとって必須の課題であり、社会的な意義も大きなものがあります。
こうした動向の一例として、国土交通省は08年度から「超長期住宅(200年住宅)」と「住宅・建築物省CO2推進」の両モデル事業の提案募集を年3回実施しています。良質な住宅ストック形成と環境対策を図るための先導的技術、システムに対して補助を行うものです。09年も募集を継続していきます。

期待される減税効果
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律案」が成立し、08年12月5日に公布されました。09年6月までには施行されます。同法は、国土交通大臣が基本方針を定め、住宅事業者などから提出された計画を自治体が長期優良住宅として認定するものです。
自民・公明両党による09年度の与党税制改正大綱では、08年12月に終わる予定だった住宅ローン減税を拡充・延長していますが、この長期優良住宅に対しては10年間で最大控除額600万円と過去最大の減税額を提示しています。
また、住宅ローンだけではなく、自己資金などで長期優良住宅の新築、既存住宅の省エネやバリアフリー改修工事を行った場合、税制控除を認める新たな措置を創設するとしています。
住宅に関する税制改正は、09年度減税の柱とされ、大綱のなかでは「住宅投資の活性化を地域経済の起爆剤とする」としています。住宅・建築産業界への効果が大きいことを期待したいものです。

改正法の施行に注意
法改正でも09年は大きな動きがあります。
08年11月28日に施行された改正建築士法により構造設計1級建築士と設備設計1級建築士が専門資格者として創設されました。5月27日以降は、一定の規模以上の建築物の構造設計、設備設計には両専門資格者による設計や法適合確認が義務付けられます。
10月からは住宅瑕疵(かし)担保履行法が完全実施され、10月1日以降に引き渡す新築住宅に対して、建設業者や宅建業者に「供託」か「保険」による資力確保が義務付けられます。
実施時期は未定ですが、木造2階建などいわゆる4号建築物における建築確認の審査簡略化(4号特例)の廃止も決まっています。これにより、構造図などの提出が求められることになります。
主なものだけを取り上げましたが、改正建築士法を含めて多数の改正・新規事項があり、建築主や消費者に対する住宅・建築業者の責任はこれまでよりも一段と重くなり、提出書類、保存書類なども増大します。

住生活向上への施策
量から質への政策転換を図った住生活基本法が06年に施行されました。良質な住宅の供給と居住環境の向上は、同法の基本理念でもあり、長期優良住宅普及促進法もその延長線上にあります。また、09年度の与党税制改正大綱も住宅の質の向上を促進させるための施策といえます。住生活基本法の理念を受け、今年、まさに本格的に始動するのではないでしょうか。
さらに、住宅瑕疵担保履行法は、05年11月に発覚した構造計算書偽造事件に始まる一連の耐震強度偽装問題を受け、建築確認の厳格化、建築士の資格・能力の向上に続き、その最後の対策として打ち出した消費者保護です。
09年は住生活の向上と消費者への信頼回復、これらが同時に実質的なスタートを迎える年となるでしょう。
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建声

木造3階建住宅への改築計画について古い友人から相談を受けた。改築するのは、その友人ではなく、友人の隣家だった。現地にも行って見たが、実にひどい。1区画6軒の小さな露地でそのうちすでに4軒は木造3階に建て替えている。そしていまだ2階建なのは友人の家を含む2軒だけで、いずれも区画の北側だ。隣棟間隔もいわゆる心々で1メートルしかない。これでは友人の家の南や東方向からの日照はほぼゼロになる。しかも改築計画の北側立面図を見ると、友人の家の玄関前とリビング正面にトイレ、バス、キッチンを配置し、その外壁には換気扇が設けられる。
設計を担当した1級建築士にも話を聞いた。だが返ってくる言葉は「建築基準法の基準を満たしている」の一点張りだ。
同法第1条はこの法律が建築に関する「最低の基準」を定めていることを明記している。これからの建築設計者はこの「法の精神」を肝に銘じて、事に当たらなくては、優れた建築文化は育たないのではないか。




ライセンスリポート
録講習修了の合格者数が減少/全体の合格率は16・2%/宅建合格発表

不動産適正取引推進機構は2008年12月3日、08年度の宅地建物取引主任者(宅建)資格試験の合格者3万3946人を発表した。このうち試験で5問免除となる登録講習修了者は、3万8460人が受験、合格者は8690人で前年度より819人減少、合格率も22・6%で同5・3ポイント減少した。指定講習から登録講習に移行した05年度以降では、講習修了者の合格者数が初めて減少した。講習修了の受験者数は連続して増加しており、今回も前年度比4317人増だった。合格基準点は、50問中33問正解(登録講習修了者は45問中28問の正解)。

今回の試験申込み者全体は26万0591人、このうち08年10月19日に全国47都道府県で実施した試験には20万9415人が受験した。合格率は16・2%。前年度比では、受験者数が269人減、合格者数も2257人減となり、ともに5年ぶりに減少した。合格率も1・1ポイント減だった(グラフ参照)。
登録講習制度は、それまでの指定講習で必要とされた3年以上の実務経験がなくなり、宅建業従業者であれば、受講可能となった。合格者全体に占める講習修了者の割合(占有率)は25・6%で4人に1人以上を占めたが、前年度より0・7ポイント減となり、登録講習移行後では初めて減少した。
講習修了合格者と占有率の減少は、合格者全体の職業別構成比にも表れている。不動産業は32・6%(前年度34・9%)で4年ぶりに減少したが、金融関係8・9%(同7・2%)、建設関係11・4%(同11・0%)、他業種22・5%(同21・4%)、主婦4・3%(同3・7%)は、いずれも前年度より増加している。学生は10・3%(同11・9%)、その他は9・8%(同10・0%)を占めた(グラフ参照)。
最年少合格者は15歳男性、18歳未満の合格者は男性4人、女性3人の計7人。最高齢合格者は79歳男性。合格者の平均年齢は33・9歳(同33・6歳)。男女比は男性が71・2%(同73・3%)を占めた。
今年度の問題に関して、日建学院の試験担当者は「宅建業法の重要事項説明における信託受益権に関する部分などで、法改正を意識した出題がされていた」ことや、建築物の構造に関して国土交通大臣許可や構造計算の必要性などを問うもの、直接不動産に関連しない譲渡所得税の知識といった「これまで、あまりなじみのない分野からの出題」を特徴として挙げた。






ライセンスリポート
5,685人が合格/給水装置工事主任技術者

給水工事技術振興財団は2008年12月10日、08年度の給水装置工事主任技術者試験の合格者を発表、5685人が合格した。
08年10月26日に全国8地区で実施した試験には、1万5104人が受験した。過去最低だった前年度よりも、さらに2001人減(11・7%減)となり9年連続で減少した。
合格者数は前年度比1653人減、合格率も同5・3ポイント減少した。前年度の合格者数は4年ぶりに増加したが、今回は再び減少に転じた。ただ、受験者数は減っているものの、05年度、06年度の合格者数よりは上回っている。合格率も前年度より低下したが、これまでのほぼ平均的な合格率であった(グラフ参照)。
合格基準は、必須6科目の合計が40点満点中27点以上、全8科目の合計が60点満点中40点以上であり例年と同じ。各科目には必要最低基準点が設けられている。1級、2級管工事施工管理技術検定の合格者は一部試験が免除され、必須科目の基準のみとなる。






ライセンスリポート
合格率アップでも52%の低水準/全体の約4分の1がランク3(知識・技能が著しく不足)/2級建築士設計製図

建築技術教育普及センターは2008年12月4日、08年の2級建築士「設計製図」試験の合格者を発表、8901人が合格した。08年9月14日に全国53会場で実施した試験には、1万7108人が受験(うち製図から5445人)、合格率は52・0%だった。前年比では、受験者数が3018人、合格者数が1723人、合格率が1・1ポイントそれぞれ増加した。ただ、合格率は試験実施機関が同センターに移行した1986年以降では前年に次ぐ過去2番目の低水準、合格者数も9000人にはとどかなかった。
前年の設計製図試験は合格率だけでなく、受験者数、合格者数も86年以降では過去最低であった。しかし、今回は現行制度での最後の試験であったことも影響して、学科試験からの受験者数と学科試験合格者数がそれぞれ前年より約2800人増えたため、受験者数は3000人超の増加となった。学科試験の受験者数と設計製図からの受験者数の合計3万9787人による最終合格率は22・4%で前年より2・7ポイント増加した(受験者数、合格者数、合格率の推移はグラフ参照)。
今回の課題は、全ブロック統一で「高齢者の集う趣味(絵手紙)室のある二世帯住宅」(木造2階建)で実施した。家族構成は夫婦と子供2人、70歳代の祖母であり、祖母は外出時には車いすを利用し、近隣の高齢者が集う趣味室にも車いす利用者に配慮した計画が出題された。具体的には道路からのアプローチで、趣味室に隣接する屋外テラスと玄関ポーチに屋外スロープを計画すること、玄関ホールには車いす置き場と車いすへの移動台を設けることなどが要求された。延べ面積は180平方メートル以上230平方メートル以下で、比較的大規模の出題であった。
合格者と同時に発表された採点結果の区分では、約4人に1人の受験者が、「知識・技能が著しく不足している」に該当するランク3となり、割合が高かった(グラフ参照)。これについて建築資料研究社の試験担当者は「屋外施設のスロープ設置や、屋内の車いす対応がうまくできないなど、いわゆる新しい出題に対応できなかったことが大きな要因と考えられる」と分析している。
合格者の主な属性のうち最も多いものを見ると、受験資格が学歴のみの55・8%、職域が建設会社・工務店・大工の46・1%、職務内容は営業、積算・見積などのその他が34・3%で建築設計は28・4%、年齢は24歳以下の34・5%であった。平均年齢は28・7歳。男女比は男性が69・4%を占めた。



科目・構成で2級は変更なし/09年の建築士試験

08年11月28日施行の改正建築士法により、09年から建築士試験も新制度に移行する。建築技術教育普及センターは08年11月28日、変更内容をホームページに掲載した。
1級建築士試験は、学科試験における学科I(計画)を計画と環境・設備の2科目に分離して合計5科目とするなど大きく変更されるが、2級建築士試験の科目・構成は変わらない。受験資格の学歴要件の変更は、原則09年度入学者から適用されるので、在学中や卒業者は従来の学歴要件で受験できる。また、建築設備士であれば実務経験がなくても2級建築士を受験できる。
実務経験要件は1級、2級ともに、08年11月28日以降の実務経験から「設計・工事監理に必要な知識・能力を得られる実務」に限定される。また、実務経験の内容については建築士などによる証明が必要になる。




ライセンスリポート
488人が合格、合格率は8.0%/土地家屋調査士

法務省は08年12月2日、2008年度の土地家屋調査士試験の合格者を発表した。7,270人(前年度7,540人)が出願し、6,074人(同6,250人)が受験、8月24日に筆記、11月10日に口述の両試験を行った結果、488人(同503人)が合格した。受験者数に対する合格率は8.0%(同8.0%)。合格者の平均年齢は36.4歳(同36.1歳)、最年少は20歳、最高齢は64歳だった。




ライセンスリポート
436人が合格、合格率は68.1%/木造建築士「設計製図」試験

建築技術教育普及センターは08年12月4日、2008年木造建築士「設計製図」試験の合格者を発表した。10月12日に全国34会場で実施した試験には、製図からの受験者73人を含む640人(前年640人)が受験、436人(同505人)が合格した。合格率は68.1%(同78.9%)。「学科」試験の受験者を含めた最終合格率は40.3%(同44.6%)だった。合格者の属性をみると、受験資格では学歴のみが91.5%、年齢は24歳以下が84.4%をそれぞれ占めた。平均年齢は22.9歳。男女比は男性が72.2%。




ライセンスリポート
最終合格者は153人/マンションリフォームマネジャー

住宅リフォーム・紛争処理支援センターは08年12月15日、2008年度(第17回)マンションリフォームマネジャー試験の合格者を発表した。10月5日に全国5会場で学科と設計製図の両試験を実施。学科試験は270人(前年度317人)が受験、206人(同234人)が合格した。合格率は76.3%(同73.8%)。設計製図試験は281人(同342人)が受験、164人(同210人)が合格、合格率は58.4%(同61.4%)。今回の試験により、両試験に合格した最終合格者は153人(同197人)、学科のみの合格者は73人(同70人)、設計製図のみの合格者は21人(同23人)だった。最終合格者の男女比では、男性が76.5%を占めた。年齢別では30歳代が38.6%で最も多かった。勤務先は、リフォーム専業が29.4%で最も多く、工務店の11.8%、マンション・ビル管理会社の10.5%の順。職務は、設計の28.1%、施工管理の25.5%、企画の16.3%の順だった。




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