2011年1級建築士設計製図試験
平成23年度 1級建築士設計製図 今年度試験の総評
課題:「介護老人保健施設」
平成23年度の設計製図コースで実施した22課題中、対応していた設計条件
| 設計条件 | 課題対応数 |
|---|---|
| 接道条件、西東 | 2 |
| 床面積4,000m2規模 | 1 |
| デイケア設置階 | 11 |
| 基準階の面積(2,000m2以上) | 3 |
| 基準階に浴室 | 19 |
| 避難用滑り台 | 3 |
| 入所部門とデイケア部門の分離 | 22 |
上記はごく一部ですが、この他にも日建学院の設計製図課題は多くの部位で対応していました。ぜひ、ご自身の学習した情報と比較してみてください。
本試験課題のポイント

・東西の道路条件など敷地条件が南北の敷地の長さ以外は似た課題!
・グリッド計画(コマ数)も同様で計画可能!
●基準階の療養室の配置
【特訓課題1】:東西の療養室(個室)14室 + 一般浴室2室 ・・・8コマ
(バルコニーをグリッド内に取り込み)
【本 試 験】:東西の療養室(4人室)6室 + 個室4室 ・・・・・8コマ
(バルコニーをはね出しに変更。 それによって療養室の面積42m2及び個室21m2の確保が可能)
●ピロティ形式による車路及び駐車場の計画
【特訓課題1】:ピロティ形式による車路及び駐車場の計画(延べ面積の調整を1階で行う)
【本 試 験】:基準階を6×7mグリッドで計画する場合、総5階建てとすると、42m2×20コマ×5層=4,200m2となり、200m2程度オーバーするため、ピロティを1階に設け調整する必要があります。
・設計条件の主文で「自然光を取り入れて明るく開放的な空間となるように計画する」とされ、また、要求室の特記事項、計画に当たっての留意事項でも繰り返し強調されています。
・南側の公園に面し、食堂、食堂・デイルーム、レクリエーションルームを設け、開口部を広く計画する必要があります。
・また、中庭(光庭)等を計画することで、建物中央にも自然光を取り入れることができ、明るく開放的な空間となります。
・第一種住居地域のため、採光条件が厳しくなります。療養室を北側に面して計画した場合、基準階の3階部分の採光を確保するためには、北側隣地境界線から4m程度以上の離隔が必要となります。バルコニーを設けた場合はその先端からの距離になります。

・療養室(4人室)及び基準階ごとに食堂が要求されていることから、運営形態は従来型であると判断できます。
・入所者84人、通所者15人と、敷地条件の制約の中では施設利用者の数が多い計画です。経営面、入所者の費用負担の軽減の観点から、施設利用者の数を確保できる従来型が出題されたと考えられます。
・平成22年と同様に、主要な要求室は床面積の値が明記され、その他は「適宜」で要求されました。
・特記事項で人数が与えられ、それから床面積を算定するものとして、会議室、事務室がありました。
・「施設利用者部門と管理部門とを適切にゾーニングし、明快な動線計画とするとともに、避難等に配慮する。」と出題されました。基準階については、両者を分離することはできませんが、1、2階については、両者の明確な分離、または、まとまったゾーニングが求められています。



・平成18年以来、4年ぶりに空調設備、給水設備の方式が指定されました。
●空調設備・・・空冷ヒートポンプマルチ型エアコン
●給水設備・・・受水槽方式(ポンプ直送方式等)
・設備計画の要点について、テーマを具体的に絞った問題が出題されました。特に東日本大震災を考慮して、地震等の災害への対応策が求められました。
答案として、次のような項目が考えられます。
@ 空調設備、給排水衛生設備及び電気設備における光熱費の削減
イ.電気料金の削減・・・空冷ヒートポンプパッケージ方式、LED照明、全熱交換器の採用など
ロ.水道料金の削減・・・節水型器具、雨水再利用設備の採用など
ハ.ガス料金の削減・・・潜熱回収型給湯機の採用、配管等の断熱化・短縮化
A 「受水槽及び給水ポンプ」及び「受変電設備」について、その設置場所と、維持管理又は機器からの騒音・振動防止の観点から工夫したこと
●受水槽及び給水ポンプ
「設置場所」 ・1階設備機械室
「工夫したこと」 ・療養室等と離して設けることによる騒音・振動防止
・受水槽の中間仕切、6面点検スペースの確保
・給水ポンプの防振継手、防振架台の設置
●受変電設備
「設置場所」 ・屋上
「工夫したこと」 ・屋上にキュービクルを設けることによる機器の更新性の向上
・点検スペースの確保
・コンクリート基礎による振動の防振
・防振架台の設置
B 地震等の災害に対する設備計画について、「設備の損傷防止」、「停電」及び「断水」についての対応策(2つ)(停電や断水は3日程度を想定する。)
●設備の損傷防止 ・配管、機器の耐震施工、耐震支持、転倒防止
●停電 ・耐震施工した自家発電設備を利用したバックアップ電源の確保
・燃料の備蓄
●断水 ・ポンプ直送方式により受水槽分の給水を確保
・飲料水、簡易トイレ等のための備蓄倉庫
・便所洗浄用の雑用水槽を設け、容量を3日分確保













