平成23年度 1級建築士学科合格発表

平成23年度 1級建築士学科合格発表
合格基準87点に引き下げ。合格率は15.7%!
7月24日、全国58会場で実施された1級建築士学科試験の合格者が発表された。
一昨年2009年より新試験制度(5科目、125問、4枝択一試験)に改正され、3度目の学科試験の結果である。受験者32,843名、合格者5,171名、合格率は15.7%で昨年より0.6%上がった。
合格基準点は、計画、環境・設備が11/20点、法規、構造が16/30点、施工13/25点、総合87/125点。『合格基準点は、各科目で過半の得点、総得点は概ね90点程度を基本的な水準とする』としていたものの、得点が想定より低かったことから、総得点で3点引き下げられた。なお、一昨年も、得点が著しく高かったことから総得点97点に引上げられており、3年続けて補正が入る結果となった。
| 計画(点) | 環境設備(点) | 法規(点) | 構造(点) | 施工(点) | 総得点(点) | 合格率 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 計画(点) | |||||||
| 23年 | 11/20 | 11/20 | 16/30 | 16/30 | 13/25 | 87/125 | 15.7% |
| 22年 | 11/20 | 11/20 | 16/30 | 16/30 | 13/25 | 88/125 | 15.1% |
<<試験傾向と難易度分析>> 超過去問系の増加が難易度を上げた!
| 出題傾向は、実務に携わる上での啓蒙的な出題や社会的な重要性の高い分野からの出題となっており、昨年から大きな変りはない。 設問枝ごとにみると、新規の設問枝数は、昨年約20%に対して、本年は約17%と減少し、過去問系の出題比率が66%(前年53%)と増えている。 ただし、10年以上も前出題された事項が約25%再度出題され、使用教材によっては、新傾向の内容と感じられたことが、今回の得点を引き下げた大きな要因の一つと考えられる。いずれにしろ過去の出題内容を単に暗記するのではなく、正しく理解し、その周辺情報を幅広く、さらに一歩掘り下げた発展的な学習が求められる。 |
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1.<<受験者、合格者数>>
| 23年 | 22年 | 21年 | 20年 | 19年 | 18年 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 受験者数 | 32,843 (5,633減) |
38,476 | 42,569 | 48,651 | 43,566 | 40,950 |
| 合格者数 | 5,171 (643減) |
5,814 | 8,323 | 7,364 | 4,936 | 4,099 |
| 合格率 | 15.7% | 15.1% | 19.6% | 15.1% | 11.3% | 10.0% |
受験者の数は、前年に比べると、5,633名(15.6%)減、合格者数は643名(11.1%)減少した。また、合格者の平均年齢や他の属性については、大きな変化はないが、近年の4大学卒受験者の増加傾向は、依然としてみられる。

【合格者の属性】
2.<<今後の学習方針>> 標準問題(正答率40〜70%)への対策が合否を分ける!「学習の質」が問われる試験!
標準問題対策としては、過去の出題内容を単に暗記するのではなく、正しく理解し、その周辺情報まで一歩掘り下げた発展的な学習が求められる。つまり、学習の量だけでなく「学習の質」が問われる試験になっている。
重要なのは、発展的な学習の方向づけだ。無作為に学習範囲を広げても、それは非効率であるだけでなく、出題傾向から逸脱してしまうことにもなりかねない。
試験制度が改正された一つの要因である「構造計算偽装問題等」から、設計・監理業務の適正化を目的として、実務において求められる内容の啓蒙的な出題が大きな柱になり、5科目横断的に反映されていることに注目しなければならない。
試験の方向性、つまり、発展学習の方向付けを示すテーマとは、主に、次の6つに集約することができる。今年度出題問題から、少し具体的な例を示した。(青字はH22出題)
これらを意識した発展的な学習の有無が、今後の試験の合否を大きく分けることになる。
@設計・工事監理に係る啓蒙的な出題
計画「建築士の職責・業務:NO.1」「設計・工事監理と契約:NO.18 」、「プロジェクトマネジメント:NO.20 」
法規「構造設計・設備設計1級建築士(建基法・士法融合):NO.23 」、「その他建築士法全般:NO.25 、NO.26 」
構造「構造設計者に期待される役割」
施工「工事請負契約約款:NO.25」「請負者の業務」
A社会的重要性の高い「既存建築物の改修・活用」
計画「建築物の保存、再生、活用:NO.3」「環境負荷の低減と既存施設の改修・活用」、「改修に伴う積算」
法規「用途変更:NO.3」、「耐震改修法:NO.28 」「構造耐力に関する既存不適格建築物の緩和」
施工「既存建築物の耐震改修工事:NO.22」「各種改修工事:NO.23」「RC造の外壁改修工事」、「改修工事における主任技術者の設置」
B社会的重要性の高い「環境(「CASBEE」でいう品質と環境負荷低減性)」
計画「「省エネ法:NO1」「建築物と周辺環境:NO.5」「設計手法:自然エネルギーの活用」、「環境負荷低減策」
環境・設備「省エネルギー:NO.12、NO.16 」「総合環境性能評価、再生エネルギー:NO.20」「空調設備の熱負荷計算」、「ビルディング・マネジメント・システム」、「空調負荷低減、自然エネルギー」
法規「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法):NO.28」
C社会的重要性の高い「最新の法令・基準・規格」
法規「確認申請:NO.4」「歴史まちづくり法:NO.30 」「瑕疵担保履行法、長期優良住宅の促進法」
施工「計画供用期間の級(超長期):NO.3」
D構造の安全性・品質
法規「構造計算:NO.14」「構造計算(超高層、限界耐力計算など)」
構造「耐震計算(RC造):NO.14」、「耐震設計(S造ルート1、2、3):NO.18」、「耐震設計:NO.25、26」「ひび割れ性状(RC造壁付きラーメン構造)」など
施工「品質管理・試験:NO.7、10、12、14、18」「コンクリートのひび割れ制御」
Eその他
計画「まちづくり:No.10」、「高齢者施設:NO.15 」
法規「まちなみ形成:NO.30」
専門技術者としての「資格者責任」、「契約者責任」、「社会的責任」が問われる建築士の位置付けから、出題内容は多岐にわたる。だからこそ、5科目の内容を横断的に整理した効果的な発展学習が必要であり、そのためには、学習の方向付けを明確にすることが重要だ。その「学習の質」が合否を分けることになる。
試験結果
| 受験者数 | 合格者数 | 合格者率 |
|---|---|---|
| 32,843人 | 5,171人 | 15.7% |
合格基準点
| 学科I | 学科II | 学科III | 学科IV | 学科V | 総得点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 建築計画 20問 |
環境・設備 20問 |
建築法規 30問 |
建築構造 30問 |
建築施工 25問 |
125点 | |
| 基準点 | 11 | 11 | 16 | 16 | 13 | 87 |
- ※各科目及び総得点の基準点すべてに達している者を合格とする。
- ※なお、合格基準点について、各科目は過半の得点、総得点は概ね90点程度を基本的な水準として想定していたが、総得点の平均点が想定より低かったことから、上記合格基準点としている。
試験データ
| 合格率推移 | 基準点 | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 総得点 | 計画 | 環境 ・設備 |
法規 | 構造 | 施工 | 補正 |
| 14 | 53,908人 | 5,716人 | 10.6% | 64 | 13 | - | 12 | 12 | 13 | 有 |
| 15 | 51,283人 | 7,430人 | 14.5% | 67 | 13 | - | 13 | 13 | 13 | |
| 16 | 47,305人 | 11,904人 | 25.2% | 71 | 13 | - | 14 | 13 | 13 | 有 |
| 17 | 41,907人 | 10,464人 | 25.0% | 67 | 14 | - | 13 | 14 | 12 | 有 |
| 18 | 40,950人 | 4,099人 | 10.0% | 63 | 12 | - | 12 | 13 | 12 | 有 |
| 19 | 43,566人 | 4,936人 | 11.3% | 63 | 12 | - | 13 | 13 | 11 | 有 |
| 20 | 48,651人 | 7,364人 | 15.1% | 64 | 13 | - | 12 | 13 | 11 | 有 |
| 21 | 42,569人 | 8,323人 | 19.6% | 97 | 11 | 11 | 16 | 16 | 13 | |
| 22 | 38,476人 | 5,814人 | 15.1% | 88 | 11 | 11 | 16 | 16 | 13 | |
| 23 | 32,843人 | 5,171人 | 15.7% | 87 | 11 | 11 | 16 | 16 | 13 | |













