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実例建築物・歴史的建造物紹介(2021.06.21)
グエル邸 アントニオ・ガウディ
実業家であり、ガウディのパトロンであったドン・エウセビオ・グエル・バンミガルの依頼により、1885~1888年に計画・建てられた邸宅。
敷地は文献によるとコンテ・デル・アサルト通りに面した22m×18mの狭い敷地に建てら、内部で別の建物と連絡通路で繋がっている。
グエルは貴族への途上にあり、その立場にふさわしい品格を求められた。ガウディはこの計画に対して20案以上のファサードのスケッチの提案を行い、今のファーサードになったらしい。デザイン的には、多様な色彩の氾濫ではなく、鋳鉄による装飾が特徴である。
プラン的には敷地条件より制約はあったようだが、メインサロンで音楽会が開催されるようにパイプオルガンが設えられている。
グエルとガウディの間の信頼関係を示すエピソードとして、建設途上に、グエルが旅行途上、秘書より「請求書が法外ではないか」と言う連絡があったが、グエルはもっと高額だと思っていたと言うだけであったと。グエルは、ガウディの構想が実現できるように、必要とするものを全て用意し、ガウディが描いた数多くのスケッチ、設計図に描かれた構想を実現できるようにしたと。 参考文献 新しいビジョン ガウディ 相模書房刊
鋳鉄で所有者のイニシャルを玄関上部に飾り、中央部ではグリルの機能を果たし、上部では装飾として扱われている。
ファサード最上部の煙突はガラスで覆われ、アラビア・タイルで幾何学的形態で刻みつけられている。