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実例建築物・歴史的建造物紹介(2021.09.21)

カウフマン邸 フランクロイドライト(1867~1959年) 1936年築
場所 1491 Mill Run Rd, Mill Run, PA 15464 アメリカ合衆国 part1

建物の人気投票で、たぶん上位に入るのが、この落水荘ではないか。英語だとFalling Waterだけ。直訳してしまうと滝。日本だと落水荘ともされている。住所 入力してグーグルマップで見て、投稿された画像見ると、森のなか、一瞬、切り取られた渓谷と小川と滝と、良く見たアングルで見えてくる。

歴史的建造物紹介

グーグルでの想像旅行

建物を理解するにはスケッチを描いてみる。通り一遍の理解から、この作家の凄さが分かる。構成はシンプルだけど、ディティールにと。印象を描いてみるのも方法かもしれない。そこになんでこんな形にしたのだろうと、後に続くヒントが貰える。

カウフマン氏にとっての落水荘とは
オーナーはピッツバーグでデパート経営していたカウフマン氏。時代、調べて見ると、ピッツバークは鉄鋼産業の中心地で、さぞかし繁栄していた時代と想像できる。

邸というけれど、別荘として建てられている。画像からは、滝の印象が強く、渓谷の小川に沿って建物は建てられている。この地はピッツバーグより約80キロメートル位離れている。

歴史的建造物紹介

敷地は、カウフマン家の歴史を見ると、落水荘が建てられる前より、渓谷の水引き込んでプールで従業員が利用したり、滝の前で、寛ぐ人々の写真が残されている。それだけ、カウフマン家にとっては、大事に場所であったと思う。

スナップ写真の薦め ニューヨークで撮った写真があった

MOMAというニューヨークの近代美術館に模型が展示してあった。渓谷沿いの建物であり、端部のキャンティレバーのところが、ご指定のアングルから取られた写真の印象が強い。つまり、見せ場を作るのが上手いのだ。

歴史的建造物紹介

七転び八起きの逆転ホームランの人生 第二期黄金時代の始まり
ピンチの時こそ、すごい提案して復活したライト。

ライトは、スキャンダルでベルリンに逃避行、又、個人的にも、家族を失ったり、しばらくアメリカでは仕事がなかった時代もあった。日本の浮世絵のコレクターとして販売したりした時期もあったと言う。ライトの出版物がヨーロッパで出版。冒頭に描いたけれどコルビジェ、ミース達とは20歳位の年齢差。ヨーロッパの駆け出し含めて建築家達はライトのドローウィングを見つめただろう。ライトのシンプルなパースは、浮世絵の影響があったとも言われるが、デジタルの時代になっても光彩を放っている。

この建物の建設時期とライトの年齢を計算して欲しい。ライトは1867~1959年。
ライト70歳の頃にの落水荘の仕事で復活。第二期黄金時代を迎える。92歳に人生を全うしてたが、この時に、ニューヨークのゲッゲンハイムの仕事をして世を去った。

必ずしも施主の要望には従わなかった が、説得力のある提案が出来たライト
この建物、オーナーは、滝を眺めたいと。前述したようにカウフマン家の人々にとっては、滝のある渓谷の小川はかけがえのない宝の印象だったのだろう。
ライトは滝の上部にと建物をデザインした。これは、浮世絵の影響とも一説には言われているようだ、建物川の生活と一体となった建物を提案している。滝に面した水面に下っていく階段が設けられている。プランとか構造、探して欲しい。よくこの最小限度とも思える構造で支えているなと思う。

もし、滝を純粋に眺めたいという要望に従ったならば、この渓谷の滝の前面に建物が建てられて、今、皆が見れる形にはならなかっただろう。緑をただ塞いでしまっただろう。
一体感で人気を呼び、後世に、お土産屋まで開業できる人気スポットになっていただろうか。

次回のpart2で建築物の詳細について紹介するぞ。

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