学生団体インタビュー建築文化週間
学生ワークショップ2025
実行委員会
実行委員会のメンバーに
インタビュー!
日本建築学会が毎年10月に開催する「建築文化週間」。
そのイベントの内の一つ、「学生ワークショップ2025」の実行委員会のメンバーにお話を伺いました。
[撮影:平佳樹]
学生ワークショップ2025
「建築学生の無数のキャリアを考える ~未来を可視化するタペストリ~」
「建築文化週間」の中で、有志で集まった学⽣が企画・運営する学生ワークショップ。2025年は、2025年10月18日、19日の2日間に渡って、先人たちの多様な職能や価値観を収集し、分類・分析・議論を行い、建築を学んだ先の無数のキャリアモデルを探りました。
代表:阿久津 結伊さん(工学院大学)
正直、絶望しました。でも、それでも前に進めた理由。

阿久津 結伊さん
今回のワークショップで、代表として最も意識していたのは、関わる人とのコミュニケーションでした。実行委員のメンバーや講師の方々など、初めて会う人が多い中で、自分から積極的に話しかけることで、少しでも全体の雰囲気が良くなればいいなと思っていました。
準備期間で特に大変だったのは、フライヤーやポスターの梱包・発送作業です。人数がなかなか集まらず、少人数で山積みの作業を前にしたときは、正直「絶望しました(笑)」という気持ちでした。それでも乗り越えられたのは、副代表の存在があったからです。本当に助けられました。
「やってよかった」と心から思えた瞬間
当日、会場に学生が集まっている光景を見たとき、それまでの不安が一気に報われたように感じました。
準備期間中はずっと不安でしたが、その場にいる学生たちの姿がとても輝いて見えて、「やってよかった」と心から思えた瞬間でした。
また、この経験を通して、自分自身の変化も感じています。イベント後に別の企画会議に参加した際、以前よりも話を聞く姿勢が変わり、「どこを質問すべきか」が自然と分かるようになっていました。連日の会議や準備の積み重ねが、自分の中に残っているのだと実感しました。
今回の経験での学び
今回の経験で一番大きかったのは、「代表」という立場についての学びです。
どのようにチームを動かすのか、何を把握しておくべきなのか。実際に経験してみて初めて分かることが多くありました。
後輩に伝えたいこと
後輩に伝えたいのは、「一人で抱え込まないでほしい」ということです。
イベントは一人で完成させるものではなく、みんなでつくるものです。それぞれの得意なことを活かしながら、協力して、楽しんで取り組んでほしいと思います。
また、今回のテーマである「キャリア」についても、自分自身の考えが変わりました。これまで知らなかった建築の仕事や可能性を知り、将来について考えることが、むしろ楽しみになったと感じています。
副代表:川島 功士さん(東京理科大学)
答えを教えないことが、一番のサポートだった。

川島 功士さん
副代表として意識していたのは、代表がやりたいことをしっかり実現できるように、全体を支えることでした。細かい部分の管理や、「この方向で大丈夫」と思える状況をつくることに徹することで、チーム全体が動きやすくなるように意識していました。
準備段階では、とにかく時間が足りないという状況が続いていました。 限られた時間の中で、どう行動するかが大きな課題でしたが、代表が先頭に立って進めてくれたことで、自分はその後を追いながらやるべきことに集中することができました。結果として、無我夢中で走り切ったという感覚があります。
当日の運営で特に意識していたこと
当日の運営で特に意識していたのは、参加学生に「正解を与えないこと」です。キャリアに関するテーマでは、答えを提示してしまうと、参加者の思考が止まってしまうと感じていました。そのため、問い返したり、「なぜそう考えたのか」を聞くことで、参加者自身の言葉を引き出すことを大切にしていました。
また、運営メンバーそれぞれの強みが発揮されたことも印象に残っています。代表の推進力があったからこそ、自分はそれを支える役割に徹することができ、チームとして良い形で機能していたと感じています。
今回の経験での学び
今回の経験を通して、建築において大切なのは設計そのものだけではなく、人や考えをどうつなぐかであると再認識しました。 異なる価値観を持つ人たちの中で、一つの方向性や場をつくる経験は、今後の学びや実務にもつながると感じています。
また、「キャリアは選ぶものではなく、積み重なっていくもの」という考え方も強く印象に残っています。
遠回りや迷いも含めて、その人らしい道になっていく。今回の経験を通して、将来を一つに決めすぎず、今の関心や違和感を大切にしていいのだと感じるようになりました。
後輩に伝えたいこと
これから挑戦する後輩には、「最初から完璧を目指さなくていい」と伝えたいです。 大切なのは、「なぜやるのか」を考え続けること、そして仲間としっかり対話すること。大変なことも多いですが、その分、自分の価値観が大きく揺さぶられる経験になると思います。
モデレーター:松田 達先生(静岡文化芸術大学 准教授)
この経験は、"設計"と同じ価値を持つ

松田 達先生
今回のワークショップは、「キャリア」をテーマに、学生自身が主体となって考える機会として企画されました。
働き方の多様化が進む中で、建築学生にとってのキャリアも、これまで以上に多様になっています。だからこそ、学生自身が自分の将来を"自分の言葉で考える"機会を持ってほしい——そうした意図が込められていました。
準備段階では、先行きの見えなさからくる不安や、学生同士の連帯感の弱さも見られました。特にオンライン中心のやり取りでは、互いの距離感を掴むことに難しさもあったと思います。
しかし当日になると、その状況は大きく変化しました。それぞれの学生が自分の役割を理解し、裏方に徹する者、複数の役割を担う者など、自然と連携が生まれていました。
直前まで見えていなかった細部の動きが、当日には形になっていた。その過程に、学生たちの大きな成長を感じました。
建築系の学生が、学外のイベントを企画・運営することは、決して簡単なことではありません。他大学・他学年の学生と協働する中で、慣れない環境や考え方の違いに直面する場面も多くあります。
一方で、そうした経験こそが、思考や経験の幅を大きく広げるきっかけになります。普段の学内では得られない視点や価値観に触れることができる点に、この活動の大きな意義があります。
[撮影:松田達]
イベントの企画・運営は、建築を学ぶ上での本質的なトレーニングにもなり得る
そして、このようなイベントの企画・運営は、ある種の「設計行為」だと考えています。人を集め、関係性をつくり、場の流れを設計していく。
それは建築における設計と同様に、複数の要素を統合し、一つの形にしていくプロセスです。この経験は、単なるイベント運営ではなく、建築を学ぶ上での本質的なトレーニングにもなり得るものです。
これからの学生には、ぜひ失敗を恐れず、試行錯誤する経験を重ねてほしいと思います。合理的に、最短距離で成果を出すことが求められる場面も多いかもしれません。しかし、遠回りや非合理に見える経験、そして失敗そのものが、長期的には大きな価値を持ちます。
そうした経験の積み重ねが、結果として大きな成長や成功につながっていくはずです。
また、今回のワークショップにおいて、協賛という形でご支援いただいたことに、深く感謝しています。
その支援があったからこそ、イベントの実施だけでなく、記録として冊子化するところまで取り組むことができました。この記録は、今後の学生にとっても、当時の体験を追体験できる貴重な資産になると考えています。
―未来を可視化するタペストリー』
(日本建築学会建築文化週間
学生ワークショップ2025アーカイブ)
今後の可能性
今後は、完成したイベントを見せるだけでなく、企画段階から企業と関わるような取り組みも重要になってくると感じています。
そうした関わりは、学生にとっても新たな視点や学びにつながり、より良い場づくりにつながっていくはずです。産学がより近い距離で連携していくことに、今後の可能性を感じています。
取材日:2025年12月
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