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2019年(令和元年) 1級建築士設計製図課題発表

2019年(令和元年)
1級建築士設計製図課題

美術館の分館

[要求図書]

  • ●1階平面図・配置図(縮尺1/200)
  • ●2階平面図(縮尺1/200)
  • ●3階平面図(縮尺1/200)
  • ●断面図(縮尺1/200)
  • ●面積表 
  • ●計画の要点等
  • (注1)
    既存の美術館(本館)の隣地に、美術、工芸等の教育・普及活動として、市民の創作活動の支援や展示等を行うための「分館」を計画する。
  • (注2)
    屋上庭園のある建築物の計画
  • (注3)
    建築基準法令に適合した建築物の計画(建蔽率、容積率、高さの制限、延焼のおそれのある部分、防火区画、避難施設 等)

[建築物の計画に当たっての留意事項]

  • 敷地条件(方位等)や周辺環境に配慮して計画するとともに、空調負荷の抑制や自然光の利用を図る。
  • バリアフリー、省エネルギー、セキュリティ等に配慮して計画する。
  • 各要求室を適切にゾーニングし、明快な動線計画とする。
  • 建築物全体が、構造耐力上、安全であるとともに、経済性に配慮して計画する。
  • 構造種別に応じて架構形式及びスパン割りを適切に計画するとともに、適切な断面寸法の部材を配置する。
  • 空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備、昇降機設備等を適切に計画する。

[注意事項]

  • 「試験問題」及び上記の「要求図書」、「建築物の計画に当たっての留意事項」を十分に理解したうえで、「設計製図の試験」に臨むようにして下さい。
    なお、建築基準法令や要求図書、主要な要求室等の計画等の設計与条件に対して解答内容が不十分な場合には、「設計条件・要求図面等に対する重大な不適合」等と判断されます。

課題検証

1. 課題テーマと時代背景

近年、わが国の成長戦略のうち、人口減少下での地方施策の強化として、観光立国の推進が位置付けられ、地方創生へも大きな役割を果たす切り札であると考えられている。様々な施策の実施に伴い、2013年以降年々インバウンド(訪日外国人)の数は大きく伸びている。安定的にインバウンドを確保していくには、都市部に集中せず、日本各地の地方地域へと導くことが必要である。

一方、文化芸術面においても、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催とその後を見据えて、文化芸術によって地域を活性化させる目的で、地方公共団体が主体となって取り組む文化芸術事業を支援し、文化事業の企画・実施能力を全国規模で向上させるために、文化芸術創造拠点形成事業が創設された。世界各地の作品展示や海外のアーティストの招聘などの文化交流も、地方が主体となることが期待されている。

現在、わが国には公立・独立行政法人所管の施設だけでも250を超える美術館がある。その多くは1970年代の高度経済成長期から80年代90年代の美術館建設ラッシュといわれた時代までの、作品展示を目的とした施設となっている。しかし近年の文化芸術政策(アートマネージメント)の流れとしては、参加型・共創型のアートプロジェクトが多くなってきており、文化芸術創造拠点形成事業に採択された事業もほとんどが参加・共創型のプロジェクトとなっている。

参加・共創型プロジェクトには、市民ギャラリーのように作品の展示としての参加にはじまり、アトリエや工房での創作参加、アーティストとの共同制作、更には、地域(まち)全体が創作や展示の場となるものまで多岐にわたる。そのような中、既存の美術館施設では、建設時は想定外であったり、スペースが不足していたりと、対応に限界がある場合も多い。

このような時代背景のもと、次のような点について考慮する必要があります。

  1. ① 市民が様々な美術作品に触れる
  2. ② 市民が参画し、交流し、文化を育む
  3. ③ 展覧会、ワークショップ等の情報発信により参加を促し地域を活性化

以上のような状況をふまえた課題対策が、合否を分ける重要なポイントとなります。

2. 美術館について

美術館は、わが国では博物館法の中に規定され、美術品を対象とした専門博物館として位置づけています。博物館法(1951年)は上位に教育基本法(1947年)、社会教育法(1949年)があり、主たる役割は社会教育施設であるということを認識しておく必要があります。

3. 美術館の分館について

美術館の分館という建築物の主たる目的は、3つに分類できます。

  1. ① コレクションの増加等スペースの不足を補うための、スペース拡張目的の増築型分館。
  2. ② コレクションの内容や地域に所縁のある作家に特化した展示や収蔵を行うための、アネックス型分館。
  3. ③ 従来の美術館機能に、時代に合わせた新たな機能を付加する目的の、機能拡充型分館。

今年度の課題は、機能拡充型分館としてとらえることができます。

4. 類似課題について

『美術館』の類似出題は、下記の通りです。

  1. 昭和61年『集会施設をもつ郷土資料館
  2. 平成 6年『地方都市に建つ美術館
  3. 平成22年『小都市に建つ美術館

それぞれの課題の特徴について、

○昭和61年『集会施設をもつ郷土資料館

  1. (新設部)[鉄筋コンクリート造、地下1階(機械室のみを設置)、地上2階建てで、延べ面積は、1,200m2以上、1,500m2以下]
  2. 課題では、安全性確認済みでエレベーターが設けられた既存建築物があり、既存建築物も含めて課題の要求室を計画する課題でした。

○平成6年『地方都市に建つ美術館

  1. [ラーメン構造による鉄筋コンクリート造(一部を、鉄骨造としてもよい)、地上2階建て(地階は設けない)で、延べ面積は、2,000m2以上、2,400m2以下]
  2. 課題では、ブロンズ像を展示する屋外展示スペースや搬出入用のサービスヤードが求められました。常設展示室と企画展示室は、それぞれ個別に展示会を運営できるようにする要求があり、ゾーニングや動線計画のポイントになりました。

○平成22年『小都市に建つ美術館

  1. [[鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又はこれらの併用とし、地上2階建てで、梁は鉄骨造としてもよい、延べ面積は、1,800m2以上、2,200m2以下]
  2. 課題では、「展示部門」、「収蔵部門」、「共用部門」、「管理部門」が要求され、「展示部門はすべて2階に計画する」と指定されました。また、屋外創作広場(直径7m以上の円・100m2以上のまとまったスペース)として、アトリエ、公園、遊歩道との動線に配慮することが要求されました。設備の計画においては、美術品に配慮した設備計画が要求されています。

5. 計画上のポイント


[建築計画]

  1. ① アプローチについては本館とは別の出入口が想定されます。また、出題内容によっては本館との動線配慮が必要です。
  2. ② 動線については、一般的には来館者の鑑賞動線とは別に、作品の搬出入が必要になり、搬出入口・荷解室や収蔵庫からの動線の確保が重要になります。ただし、市民参加に特化した場合には、一度に多くの市民が各々搬出入等を行うことを想定して通常の来館者動線を利用する場合もあります。
  3. ③ 展示室については、人工照明と自然採光、展示方法や鑑賞ルートの形式などに配慮する必要があります。市民参加型の施設ということを考慮すると、様々な形式に対応可能なフレキシブルな計画が求められることも想定できます。
  4. ④ 機能と部門構成として、一般的には、収集・保存・研究・展示といった機能に対して、導入部門、展示部門、教育・普及部門、収蔵保管部門、調査・研究部門、管理部門、その他といった部門構成になります。本年度の分館は、展示部門や教育普及部門に重点が置かれた施設になることが想定されます。
  5. ⑤ 屋上庭園は、利用者が自由に利用でき、開放感の演出やコミュニケーションの誘発が期待されるため、周辺環境や要求室との関係を考慮して設ける必要があります。また、断面図における防水納まりの処理などについても理解しておく必要があります。
  6. ⑥ 駐車場・駐輪場については、別敷地であることから現則敷地内で利用者及び管理サービス用を設けることになりますが、本館の敷地内や近隣の公共駐車場の利用も想定できます。
  7. ⑦ 断面構成については、下記のような想定ができます。



[構造計画]

  1. ⑧ 公示された課題テーマとともに記載されていました[計画に当たっての留意事項]に記載されているとおり、経済性に配慮しつつ構造耐力上安全に計画するためにも、部材断面や基礎構造の知識の整理は必要です。

[設備計画]

  1. ⑨ 設備計画については、設備機器や設備シャフト等の位置に注意が必要です。
    設備シャフトについては、給排水用シャフト(PS)、空調用シャフト(DSまたはPS)、電気用シャフト(EPS)をそれぞれ計画する必要があり、その位置及び寸法についても正しい把握が必要です。
  2. ⑩ 設備機器には、空調機械室、キュービクル、非常用発電機、受水槽等が想定されます。設置場所及びその寸法についても正しく理解しておくことが必要です。
  3. ⑪ 設置する設備によっては使い勝手が向上したり、災害時の機能が付加されたりすることもあります。設備機器の特性についても理解しておくと、より良い設備提案ができます。

[法規規制]

  1. ⑫ 建蔽率の上限や高さ制限に違反した計画は、「重大な不適合」に該当し失格となります。したがって、課題において挙げられた法規を遵守することが絶対条件です。
  2. ⑬ 2方向避難や重複距離の違反についても、大減点になりますので注意しなければなりません。
  3.  1. 展示及び収蔵等に適した階高の考え方(建物高さに注意)
  4.  2. 展示室の面積と天井高さ(特定天井の考え方)
  5.  3. 展示室が無窓となる場合(排煙・避難距離等に注意)

6. 計画の要点等

例年、計画の要点が10問程度要求されます。

公示された課題テーマとともに記載されていました(注3)に「建築基準法令に適合した建築物の計画」とあります。

建蔽率は過去の出題でも求められたことがありますが、容積率や高さ制限(斜線、高度規制等)については対応できるよう算定方法等を確認しておく必要があります。

延焼のおそれのある部分や防火区画、避難施設については、過去の出題もありますが、法的内容の中でも非常に重要な項目であり、重大な不適合(失格要件)に該当することや大きな減点になります。しっかりと理解しておく必要があります。

[計画に当たっての留意事項]に、「空調負荷の抑制や自然光の利用」「省エネルギーに配慮」とあります。自然エネルギーを活用し、環境負荷低減や省エネルギーに配慮した建物とする必要があります。

建築計画・構造計画・設備計画において配慮した事項を記述式で要求されますが、重要なのは、実際に計画した建物と記述した内容に不整合がないことです。
建物の計画が優れていても、記述との不整合があれば、採点者の印象を下げ、大きな減点を受ける可能性が高いと言えるでしょう。
暗記した内容をそのまま記述するのではなく、内容を正確に理解した上で記述することを心がけましょう。
今年は梁伏図を要求されていませんが、記述に部材寸法などを求められる可能性があります。伏図の作成に伴う基礎的知識も必要です。

以上のことから、その他重要と考えられる学習のポイントを列記します。

  1. ⅰ. 利用者と管理サービスの明確なゾーニング
  2. ⅱ. 屋外施設を含め周辺環境に配慮した配置計画
  3. ⅲ. バリアフリー、省エネルギー、セキュリティ等に配慮した計画
  4. ⅳ. 特記事項欄から算定する要求室の面積
  5. ⅴ. 地盤状態に適合する基礎構造を含む建築物の構造計画
  6. ⅵ. 適切な設備計画
  7. ⅶ. 法令に適合した建築物の計画
  8. ⅷ. 記述問題に対応できる正確な知識

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