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平成30年 1級建築士 設計製図試験合格発表

平成30年 1級建築士 合格実績

  • ※模擬基準達成者…上記、2講座の受講者で最終模擬試験(特訓模擬試験)を受験し採点結果が60点以上、出席率7割以上の方です。
  • ※平成30年12月21日20時現在の速報値です。

試験データ

  平成30年 平成29年
学科の
試験
設計製図の
試験
学科の
試験
設計製図の
試験
実受験者数 25,878人 9,251人
26,923人 8,931人
合格者数 4,742人 3,827人 4,946人 3,365人
合格率 18.3% 41.4% 18.4% 37.7%
総合 実受験者数 a 30,545人 31,061人
合格者数 b 3,827人 3,365人
合格率 b/a 12.5% 10.8%

※今年「学科試験」から受験した方と、過去2年間に「学科の試験」に合格し今年「設計製図の試験」から受験した方の合計です。

平成30年 1級建築士設計製図試験の合格発表について

設計製図合格率41.4% 
≪昨年より3.7Pアップ≫
最終合格率12.5% 
≪昨年より1.7Pアップ≫

1.受験者答案の分析から見えてくる採点基準についての考察

下記の内容は、試験直後に受験者の方々に復元いただいた答案の計画内容を項目ごとに分析し、合否結果から想定される日建学院独自の分析データです。

約100 名のサンプル答案の合格率は54.0%でしたので、それを下回る数値の計画には、何らかの問題や減点、もしくは計画における難しさがあったものと考えられます。

温水プール室の設置階

温水プール室の特記事項「プールは、長さ18m、幅10m、最深1.2mとする。」「自然採光を十分に確保する」を考慮して、設置階をどう考えるか。また、プールの長辺方向(18m)をどのように配置するかが計画を行う中で重要な要素となりました。
設置階及び長辺の配置計画の集計結果は下記のとおりです。

計画内容 受験者の割合 合格率 サンプル合格率との差
①1階(長辺横方向) 2.0% 50.0% -4.0%
②2階(長辺横方向) 32.0% 62.5% +8.5%
③3階(長辺横方向) 7.0% 42.9% -11.1%
④1階(長辺縦方向) 4.0% 25.0% -29.0%
⑤2階(長辺縦方向) 44.0% 50.0% -4.0%
⑥3階(長辺縦方向) 11.0% 63.6% +9.6%
利用者のメインアプローチ
計画内容 受験者の割合 合格率 サンプル合格率との差
①東側 24.0% 45.8% -8.2%
②西側 45.0% 51.1% -2.9%
③南側 54.0% 61.1% +7.1%
④北側 80.0% 53.8% -0.2%
【採点基準についての考察のまとめ】

試験機関から公表された標準解答例の凡例の下段には下記のとおり記載がありました。
①「延焼のおそれのある部分(建築基準法第2条第6号)による延焼ライン内にある外壁の開口部の防火設備の設置。
②「防火区画(面積区画:建築基準法施行令第112 条第1項)」により1500 ㎡以内となるように特定防火設備により区画。
③「防火区画(竪穴区画:建築基準法施行令第112 条第9項)」により階段・昇降路・エントランスホールの吹抜け(その他、温水プール室、多目的ホール室の吹抜け)を防火設備により区画。

このように記載された要因には、今年度の試験で適切な防火設備、特定防火設備を設置できなかった受験者が多かったことにあると考えます。
また、公表された合格基準等においては、例年に比べ「重大な不適合」に該当して、ランクⅣとなった受験者が25.9%と試験制度の見直し以降、最も高くなりました。
当学院の分析から今年の試験では、建蔽率違反(建築面積オーバー)が例年に比べて多く、10%~15%程度の受験者が該当したと考えられます。また、それ以外の重大な不適合(未完成、図面相互の不整合、要求室の欠落等)に該当した受験者は、例年と同様で、10%~15%程度と考えます。 次に、その他、計画において減点を受けたポイントについてまとめています。

次に、その他、計画において減点を受けたポイントについてまとめています。

ゾーニングと動線計画

設計製図の基本は、ゾーニングと動線計画です。今年の課題では、利用者アプローチ及び管理・サービスアプローチをどのように考え、各部門の明確なゾーニングを行うとともに、温水プール室利用者とプール室以外の運動諸室利用者の各室(更衣室Bを含む)をどのようにゾーニングし、利用者の移動を少なくする動線計画とするかがポイントとなりました。

適切な構造計画、設備計画

構造計画、設備計画が合否に大きく影響することは明らかです。今年の課題では、屋外プール躯体撤去跡地の地盤が詳細に記載されており、その地盤を考慮した基礎の計画も求められました。設備計画では、温水プール室及び多目的スポーツ室の空調計画、パッシブデザインを取り入れた計画等、ポイントとなりました。

「計画の要点等」の適切な記述

「計画の要点等」の採点のウェイトが高いことが想定されます。テーマを具体的に絞った出題や補足図の記入欄を含む問題が4問あり、近年は、より明確な説明能力を求められるようになっています。

次年度対策ガイダンスのお知らせ

上記の他、合否を分けたポイントについて、「グリッド計画」「温水プール室の計画」「設備計画」「構造計画」等、20項目程度の分析を行っています。この結果を把握して次年度に向けて学習することが重要です。各校で実施します「次年度対策ガイダンス」で、詳しく説明いたしますので、是非多くの方のご参加をお待ちしております。

2.試験機関から公表された「採点のポイント」と「採点結果の区分」

合格発表と同時に試験機関から公表された「採点のポイント」は次のとおりです。

  1. 空間構成

    ①建築物の配置計画
    ②ゾーニング・動線計画
    ③要求室等の計画
    ④建築物の立体構成等

  2. 建築計画

    ①建築物のパッシブデザインの計画
    ②要求室の機能性・快適性等
    ③図面、計画の要点等の表現・伝達

  3. 構造計画

    ①建築物の構造種別・架構形式・スパン割り等
    ②温水プール室の構造計画
    ③振動及び騒音対策
    ④地盤条件を踏まえた基礎構造の計画

  4. 設備計画

    ①設備スペース及び設備シャフトの計画

  5. 設計条件・要求図面等に対する重大な不適合

    ①「要求図面のうち1面以上欠けるもの」、「計画の要点等が完成されていないもの」又は「面積表が完成されていないもの」
    ②地上3階建てでないもの
    ③図面相互の重大な不整合(上下階の不整合、階段の欠落等)
    ④建築面積が1164.8m2を超えているもの
    ⑤床面積の合計が2,300m2以上、2,800m2以下でないもの
    ⑥次の要求室・施設等のいずれかが計画されていないもの
    温水プール室、更衣室A、多目的スポーツ室、トレーニングルーム、ダンススタジオ、キッズ用、プレイルーム、更衣室B、健康相談室、コンセプトルーム、エントランスホール、カフェ、事務室、多機能トイレ、便所、機械室、エレベーター、屋外テラス
    ⑦その他設計条件を著しく逸脱しているもの

続いて、平成30年から26年までの「採点結果の区分(ランク分け)」を示します。

ランクⅠ:「知識及び技能」を有するもの
ランクⅡ:「知識及び技能」が不足しているもの
ランクⅢ:「知識及び技能」が著しく不足しているもの
ランクⅣ:設計条件・要求図面等に対する重大な不適合に該当するもの

「知識及び技能」とは、一級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。

ほとんどの受験者は、試験機関からは公表されていない細かな項目に関する採点基準によって、合格となったランクⅠと、不合格となったランクⅡ・Ⅲに区分されたことになります。この「採点基準」こそが試験対策の要となるわけです。

3.学科合格者と学科免除者の設計製図試験合格率の比較

平成30年から25年までの当年の学科合格者と学科免除者の設計製図試験合格率は次のとおりです。今年の合格率の差は9.2%となっています。

  全国
合格率
①当年の学科合格者の
合格率
②学科免除者の合格率
(前年/前々年学科合格者)
②-①
合格率
の差
合格者
/受験者
合格率 合格者
/受験者
合格率
30
41.4% 1,683名
/4,584名
36.7% 2,144名
/4,667名
45.9% 9.2%
29
37.7% 1,564名
/4,793名
32.6% 1,801名
/4,138名
43.5% 10.9%
28
42.4% 1,582名
/4,101名
38.6% 2,091名
/4,552名
45.9% 7.3%
27
40.5% 1,594名
/4,650名
34.3% 2,180名
/4,658名
46.8% 12.5%
26
40.4% 1,656名
/4,653名
35.6% 2,169名
/4,807名
45.1% 9.5%
25
40.8% 1,714名
/4,927名
34.8% 2,300名
/4,903名
46.9% 12.1%

4.次年度試験対策

  1. 低層建築物、基準階建築物それぞれのエスキス手順の理解

    課題テーマは、低層建築物と基準階建築物の2つに大別することができます。ビジネスホテル、事務所ビル等の基準階建築物と、図書館、コミュニティセンター等の低層建築物のエスキス手順は異なります。早期からどちらの手順についても、実践課題を通してマスターすることが必要です。

  2. 梁伏図・矩計図対策

    2009 年(平成21 年)に試験制度が見直され、「梁伏図、矩計図等の構造計画に関する図面から1面程度」出題すると公表されました。
    梁伏図は、2014 年以降、又、矩計図は出題されていませんが、早期から正確な図面を描き上げる能力、また、部材の断面寸法等、構造に対する知識の向上を図ることが重要です。

  3. 記述対策

    受験者答案分析から、「記述で合否が決まる」と言っても過言ではありません。近年の試験では記述の出題が、より専門的になり、確立した知識を求められるようになっています。また、解答についても要点をまとめ、適切に記入することが重要となっています。記述対策を十分に行うことが合格への絶対条件です。

  4. 試験対策

    基礎構造の計画、パッシブデザインの取り入れ等については、今後の試験においても設計者として、常に知識を求められます。十分に考え方を理解することがポイントです。

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